バイアスとその対処法5 ラベリングバイアス

バイアスとその対処法5 ラベリングバイアス

バイアスとは偏った見方のことで、自分の視野を狭める思い込みのこと。今回はバイアスの一つラベリングバイアスについての考察と対処法をまとめます。

ラベリングバイアスとは

人に対してレッテルを貼ることをラベリングバイアスと言います。「あの人はこういう人」と決めつけ、その人の他の側面を見ようとしません。この点は善悪をハッキリさせたがる白黒思考と似ています。心理学的にはハロー効果(その人が持つ大きな特徴がその人の他の側面にも関係していると考える認知傾向)」に影響されやすい人ともいえます。

・「学歴がない人はみんな仕事が出来ない」、「学歴がある人は頭でっかちで仕事が出来ない」…etc
・この人はピシッとしたスーツを着ていて、愛想も良くハキハキと喋るから信頼できる→詐欺師だった。
・この人は英語が出来るから頭の回転が早くて仕事が出来る人だろう。
・太っている人やニート、貧乏人は仕事が出来ない人なのだろうなぁ。

対処法の考察と実践:もっとたくさんのラベリングを行ってみる。

ラベリングする事自体は全ての人が無意識的に行っています。情報が多い現代を生きる上で、脳の認知資源の節約のためにラベリングは必要なことだと言えるでしょう(いちいち考えたりしていたら動けなくなってしまう)。ラベリングバイアスに対処するには、もっと複数の側面からその対象をラベリング出来ないかを考えてみましょう。

・「学歴がない人」→「学歴に重きを置かない価値観を確立させている人」「挫折した人の気持ちが分かる人」「悔しさをバネに努力できる人」「遊びや息抜きが上手な人」「世の中の流れよりも自分の世界を大切にする人」「実力主義を勝ち抜いてきた大物」
・「愛想が良くハキハキ喋る人」→「コミュ力が高い」「胡散臭い」「セールスマン」「友達が多い」「恋人と仲が良い」「子煩悩」「スポーツが好きそう」「たくさんのセールス本を読んで学習した努力家」

もちろん付け加えるラベリングにも偏見や思い込みが含まれますが、ここで大事になるのがたくさんのラベリングをしてあげる事でその対象に対して複数の視点を持つことです。複数の視点が持てればその対象を以前とは別の態度で接することができます。

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