ライフイズストレンジ(Life Is Strange) 感想 【ネタバレ配慮ゲームレビュー】

ライフイズストレンジ」はアート系スクールで写真を学ぶ女子学生が主人公の、幼なじみの友人や地元民との人間ドラマを扱ったゲーム。ずっと以前からコツコツ取り組んできましたが、最近ようやくクリアしました。プレイ時間は10時間~20時間ほど。

どんなゲームか

人生は選択肢だらけ、でも、もし選び直すことが出来たら」が本作の根本的なテーマ。

ひょんな事から時間を巻き戻す能力に目覚めた女子学生マックス・コールフィールドが主人公。クラスでも目立たないタイプのおとなしい地味で真面目タイプの彼女を操作して、周囲を探索していくアドベンチャーゲームです。この主人公の地味さがまた良い。

アメリカの学生生活を味わえる作品

クラスや学校の再現にリアリティがあって、まるで本物のアメリカの学生生活を堪能できます。主人公に対して嫌みな態度で接してくる生徒もいれば、スクールカースト上位の運動部の男子、パーティーピーポーやオタク系の生徒など、学校生活であり得る多種多様な生徒たちを再現して、日本に居ながらあたかも自分がアメリカの学校に通う生徒の気持ちになれます。私は田舎のアメリカの大学に留学したこともあるので、本当に雰囲気がよく再現されているな、と感じました。

クロエとの関わりを軸にして物語は進んで行く(青髪がクロエ)

本作のストーリー展開の軸に、一人の女子生徒レイチェルの失踪事件と親友のクロエの存在があります。主人公が時間巻き戻し能力に目覚めたのもこのクロエの存在が大きい。クロエは同じ親友のレイチェルを探していて、主人公マックスもクロエと一緒にレイチェルを探すようになります。この親友クロエとの繋がりや精神的成長が大きく描かれる側面が大きく、プレイヤーがクロエが好きになれるかがこの作品を楽しめるかどうかを決めるかもしれません。2018年に出た次回作「ライフイズストレンジ2(公式)」はこのクロエが主人公で、本作より少し前の時間軸のお話です。

基本のシナリオは変わらないが、主人公の選択次第で大きく変わる運命もある

選択がテーマの本作では、登場人物との会話で細かい選択を繰り返していくことで様々な展開があります。基本ストーリーは変わらないものの、細かなところで過去の選択が影響していたり、よかれと思ってした選択が想像もつかない展開を生むことも。未来は予想できず、思いもつかない方向に展開していく。まさにリアルでの人生を模しているかのよう。

竜巻とバタフライエフェクト

主人公マックスが体験する竜巻の意味とは。

主人公マックスのタイムリープ(時間移動)能力を駆使して親友クロエとレイチェル失踪事件について調査していくのがメインの流れですが、一方でマックスが経験した「竜巻の予知夢」についての謎も大きくシナリオに関わってきます。なぜ主人公はこの時間移動の能力に目覚めたのか、そして時間移動による未来の改変にどのような作用があったのか。物語の後半に行くにつれて、自分のした選択や判断がどう繋がっていくのか。プレイヤーは予期できない未来について何度も考えさせられるでしょう。

総評

操作性   ★★★
ストーリー ★★★★★★★
満足度   ★★★★★

気になったところはスクエニのローカライズによる女子っぽい文字フォントが過剰演出で読みづらかったのと、序盤の展開がゆっくりとしてグダグダしていることぐらいでしょうか。後半の急展開が怒濤の勢いで、一気に進めてしまうほどの魅力はあります。あとはプレイヤーがマックスの親友クロエを好きになれるかどうか、ですね。私は前半ダレてしまい、クリアするまでに時間がかかりましたが、前半ダレても辞めずに続けてみてください。ただその分、後半のネタバレには充分注意が必要な作品です。(うかつに攻略サイトを見ないこと!)

総じてタイムトラベルと選択をテーマにした良質な海外ドラマ(映画)をゲームで自分が世界の中に入って体験出来る作品。人生についても考えられる良作ゲームでした。あのときに戻ってやり直したい、と誰しも一度は考えたことがあるはず。その一つの回答をこのゲームは提示していると思います

PV

「ライフイズストレンジ」/「Life Is Strange」
ジャンル:アドベンチャーゲーム
対応機種:PlayStation 4/ PlayStation 3 / Microsoft Windows / Xbox 360 / Xbox One / MacOS X / iOS
開発元:DONTNOD Entertainment
発売元:スクウェア・エニックス
発売日:欧米:2015年1月30日 / 日本:2016年3月3日
ディレクター:Jean Maxime

参考・出典

ライフイズストレンジ(公式)
ライフ イズ ストレンジ(Wikipedia)

 
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