【感想・評価】ドラゴンズクラウンPro ハマる人にはハマるベルトスクロール+ハックスラッシュゲーム。

【感想・評価】ドラゴンズクラウンPro ハマる人にはハマるベルトスクロールハックスラッシュゲーム。

ドラゴンズクラウンProは元々「ドラゴンズクラウン」として2013年にヴァニラウェア開発、アトラスで発売されたベルトスクロール+ハックスラッシュゲームで、リメイクされた本作Proは2018年2月8日にPS4で発売されました。ベルトスクロールとは横方向に移動しながらアクションを行う昔のアーケードゲームによくあったシステムで、ハックスラッシュとは何度もダンジョンに潜ったりモンスターを倒すことでレアアイテムや強力な装備を収集する楽しみ方ができるシステムです。本作はこれらにファンタジーRPGの世界観を合わせたものとなります。

どんなゲーム?王道ファンタジー+ベルトスクロールアクション+ハクスラ

慣れるまでとっつきにくいシステム ©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

私は本作をヴァニラウェア開発ということで買ってみたのですが、システムが非常にとっつきにくく、コレクターパックを予約購入したものの、しばらく積みゲーとなっていました。なぜとっつきにくいと感じたのかというと、普通のRPGを期待すると本作の独特なシステムに戸惑いを覚えたからです。

本作はテーブルトークRPGをオマージュしており、客観的なナレーションが至る所で入っています。ナレーターはメタ的な存在で、キャラクターに自分を投影させるよりは、ゲームをプレイするプレイヤー自身のことを認識させるような語り口なので、普通のRPGに慣れていてキャラたちに感情移入をするタイプの人は違和感を感じるかもしれません。

美しい2Dグラフィックで描かれるダンジョンを進んでいく。©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

システムとしては昔流行ったベルト(横)スクロールアクションゲームで、ダンジョンをクリアするたびにもらえるランダムな宝箱や討伐報酬から協力な装備品を集め、プレイヤーを強化していきます。

アクション自体はそれぞれの職業のキャラクターごとに個性があり、RPGのようにレベル制が採用されアクションRPGとして非常によくできています。

魅力的なキャラクターたちだが、仲間という概念は希薄。©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

ただ、普通のRPGとは違って、ソロプレイでは仲間キャラとの交流などはなく、冒険者として遺骨をダンジョンで拾い教会で復活させて酒場でその都度仲間にするという感じです。仲間はレベルが上がらないため、必然的に初期に冒険した仲間は役に立たなくなります。仲間もアイテムのようにダンジョンで集めてくる…といった感じでどんどん遺骨が手に入るため、埋葬したり、別れたり、物のように扱われています…。

一方でシステム的には
・ダンジョン内の扉や宝箱は盗賊の相棒に鍵を開けるよう指示すのが面倒
・激しい戦闘シーンではエフェクトが入り乱れて自分の位置がわかりにくい
といった気になったもあるものの、ハックスラッシュ2Dアクションとしてよく練りこまれています。友達や世界の人とオンラインでつながって協力プレイしたり、アクション操作で難局を乗り切ったりするのは楽しいですし、やりこみ重視で何度もダンジョンを潜ってレアなアイテムを手に入れたい人など、ハマる人にはどハマりするゲームだと思いました。

ストーリーは王道でコンパクトにまとまっている。

ストーリーは王道でコンパクトにまとまっている ©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

ストーリーは王道でコンパクトにまとまっています。ストーリーは12時間ぐらいでクリアできるでしょう。ある王国をめぐる王位継承と、王位継承を示すとされる王笏(おうしゃく)やドラゴンズクラウンという冠をめぐる物語です。

本作を積みゲーにしているあいだ、Amazonで本作のコミカライズ版を買って読みました。これで終わり?という感じでしたが、ゲーム版も漫画版と同じぐらいのストーリーボリュームだったので漫画版はしっかり作られていたんだな、と後から気づきました。

基本的に王道で一本道ですが、地味にルート分岐があります。序盤の王笏を渡すか渡さないかで分岐があり、私は見事バッドエンドを引き当てました。

食べ物グラフィックはさすがヴァニラウェア

食べ物グラフィックは極上。©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

ヴァニラウェア開発のゲームといえば、食べ物表現。本作も食べ物グラフィックは健在です。本作ではキャンプ時に食べ物表現の真骨頂が発揮されますが、キャンプはダンジョンを連続で冒険しないと出てこないので、私はプレイ全体で一度しか体験できませんでした。

感想 ハマる人にはどハマりするゲーム。

ハマる人には徹底的にハマる要素を備えた作品 ©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

普通のRPGを期待すると序盤でやめてしまう人も多いかもしれません。私も最初こそ慣れずに積みゲーとしていたものの、だんだん慣れてくると本作のシステムもよく作り込まれているな、と感じることができました。

やりこみ重視で同じゲームを何度も繰り返しプレイするタイプの人や、仲間とダンジョンに潜ったり、レアなアイテムを狙いに何度も敵を倒したりするのが楽しい人などシステムがハマった人にはどハマりするゲームだと思います。

動画資料・PV

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