「Bloodstained: Ritual of the Night」は元コナミの悪魔城ドラキュラシリーズのプロデューサ、IGAこと五十嵐孝司さんがコナミから独立した後キックスターターで資金を集め作られたゲームです。中世の硬派な世界観を舞台にしたアクションゲーム「悪魔城シリーズ」は世界でも人気のタイトルでしたが、コナミの方針でソーシャルゲームに注力することになり、IGAさんは自分の作りたいゲームが作れなかったとのこと。悪魔城シリーズの持つ探索とアクションを組み合わせたゲームシステムを持つ作品が強く望まれていたのでしょう、世界中から目標を大きく超える額の支援が集まったとのことです(参考)。海外ではSteamなどで2019年6月18日に先行発売され、私がプレイしたのは2019年10月24日に発売されたPS4の国内版パッケージです。ちまちまプレイしてクリア時間は17.5時間ほどでした。
■公式トレイラー
目次(Contents)
「Bloodstained: Ritual of the Night」はどんなゲーム?
時代は18世紀末、産業革命が起こり科学が台頭してくるなかで、これまで権威をもっていた錬金術師たちはその立場を脅かされていました。一部の錬金術師たちが悪魔召喚の禁術を行い、世界に悪魔が蔓延るようになったのがおおまかな舞台設定です。
作品の悪魔のモチーフはソロモン72柱、およびゴエティア(Wiki)からきており、ゴシックホラーの世界観が好きな人にはたまらないでしょう。
外伝的に前もって発売された「Bloodstained: Curse of the Moon」の10年後の時代背景を描いた作品だそうで、前作のキャラ達が3DCGとなって登場しますが、前作をプレイしていなくても問題ありません。
レベルや装備などのRPGの要素があるのでアクションが苦手でも回復アイテムのゴリ押しでもいけます。
悪魔の力を吸収し、特殊能力を得て進んでいく。
主人公ミリアムはシャードと呼ばれる悪魔の力を吸収し、自分のものにできる特殊能力を持ちます(空中ジャンプや水中での移動など)。この特殊能力を得ることで探索範囲が広がって能力も高まっていくのですが、吸収演出が生々しく、痛そう…。
主人公の髪型や色を個性的にカスタマイズできるのはかなり良い要素です。
また、前作の主役である斬月も重要キャラクターとして登場します。
良作アクションゲームでまとまっているが、基本の移動速度が遅いのが欠点。
全体的に2D探索アクションゲームとしてよくできていますが、2019年に発売された最新のゲームとして期待すると、移動が遅く、操作感がもっさりしていてダレるかもしれません。古き良き2D探索ゲームとして味わうのがいいでしょう。物語を進めると移動速度が上昇する装備やシャードも手に入りますが、そうしたもので補うよりも、標準の移動速度を1.5倍ぐらいにして欲しかったですね。今の快適なゲームに慣れている人だと序盤はきついかも。
簡単なお使いクエストは数少ないNPCとの交流要素。だが、作業感が強い。
NPCとの交流はクエストを通じて行うのですが、作業感が強いです。農家とお墓イベントの二人は進行方向の順序とは逆に戻らないといけないので見逃しやすいです。
店売りされていないドロップアイテム(肉や果物など)を必要とする調理や錬金が多くて、どの敵がどのアイテムを落とすのかわからないと欲しいアイテムを探し出すのに非常に時間がかかり無駄だと感じました。敵を何度も倒してドロップアイテムを狙うハックスラッシュ的な楽しみも魅力ですが、本作ではそれがクエスト攻略に必要なアイテムを入手するためだけのただの作業に感じてしまいました。
調理による料理も種類が豊富なのは良いのですが、貴重で手に入りにくい食材が多く、金策もコツ(エリア移動で復活する青色の宝箱の回収or木材系の素材アウテムを売るorシャードのGOLDエンハンスを錬成し装備するのが金策)を知らないと苦労するので、もっとどうにかならなかったのかと思います。
アルカヘストと呼ばれるアイテムを解体するアイテムをもっと安くしたり、一度手に入れた食材系のアイテムは店売りするなどして欲しかったですね。
まとめ・感想 悪魔城ドラキュラシリーズの良さは十分に味わえる、新たなBloodstainedシリーズに期待
とてもよくまとまった2D探索ゲームといった感じです。ゴシックホラーの世界観とストーリーを十分に楽しむことができました。コナミの悪魔城シリーズが好きならハマれると思いますし、今作から刺激を受けて過去の悪魔城シリーズに手を出してみるのもいいかもしれません。
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