今回は海外任天堂ファンが制作したスーパーファミコンソフトのパッケージを集めたアート本「Super Famicom: The Box Art Collection」をレビューします。Box Artとはパッケージのこと。この本はスーパーファミコンソフトの箱に描かれたデザインやイラストのアート性に注目し、およそ250作品のスーパーファミコンソフトのパッケージを実寸サイズで収録しています。
欧州で作られた本ですが、著者いわく真の任天堂ファンとしては日本版のパッケージを集めることに意義を感じているようです。また西洋でリリースされたものよりも日本で発売されたパッケージの方が美しいとして、日本のパッケージに特化しているのが面白いですね。ハードカバーで重量感もあり、まさに美術書としての存在感がある一冊です。
◆書誌情報
「Super Famicom: The Box Art Collection」(スーパーファミコンボックスアートコレクション 未邦訳)
Stuart Brett (著), Steve Jarratt (編集), Damien McFerran (寄稿)
Bitmap Books (2016/1/5) 英語 ハードカバー
ISBN-13: 978-0993012969
250作品ということもあり、スーパーファミコンの数多くの作品が収録されています。中には今回初めて書籍として図版が収録されるソフトもあるといいます。
内容は、実寸大パッケージの図録とそのデザインに関しての寸評や、他のスーパーファミコンコレクターによる意見と感想が添えられています。日本版パッケージにこだわっているので、日本語タイトルも添えられていますが、ちょっと変な日本語の箇所もあったりなかったり…。
マリオ、カービィ、ドラクエ、FFといった有名どころはすべて収録されています。自分の知らなかったソフトやメーカーの作品が発見出来るのがとても面白いですね。
欧米ではスーパーファミコンは「Super Nintendo Entertainment System(SNES)」といい、ソフトの形状やパッケージも違っています。こちら(外部:参考まとめサイト)にあるように、日本と海外では趣味趣向が違うからか、日本とは大きくかけ離れたデザインになっている事が多いです(海外は写実的・フォトリアルを追求し、日本はディフォルメの良さを追求する感じ)。日本版スーパーファミコンソフトのコンパクトで個性的にデザインされたパッケージは外国人の興味を惹くのでしょう。
中には購入した際に貼られていた値段シールがそのままの作品も。地道に足を運んでコレクションしていったんだなと感じます。
90年代のまだゲームが16bitだった頃の任天堂ファンにはたまらない内容となっています。私も昔を懐かしみ、子供のころの暖かな記憶を思い出すことが出来ました。当時私はかなりのゲーマーだと思っていたけれど、全然スーパーファミコンのソフトを知らなかったのだな、という発見もありました。こんなにたくさんのゲームが出ていたんですね。
以上パッケージアートやデザインに興味がある人はもちろん、昔懐かしいスーパーファミコンを懐古したいときには必須アイテムとなる「Super Famicom: The Box Art Collection」のレビューでした。