【レビュー・評価】ペルソナ5 心の怪盗団となり現代社会の闇と闘うJRPGの傑作!【ネタバレ配慮】

【レビュー・評価】ペルソナ5 心の怪盗団となり現代社会の闇と闘う!【ネタバレ配慮】

【レビュー・評価】ペルソナ5 心の怪盗団となり現代社会の闇と闘う!【ネタバレ配慮】
ペルソナ5はアトラスより2016年9月15日に発売されたRPGです。当時から評判がとても良い作品で、私は2017年の10月にプレイしました。クリア時間は約111時間。謎と伏線が張り巡らされたストーリーは大満足の出来で、現代社会が抱える心の闇を上手くゲームに落とし込んだ名作です。ロールプレイング好きなら一度は体験するべき作品です。

■PV

ペルソナ5ってどんなゲーム?心の怪盗団の一員となって現代社会が抱える心の闇と対峙する。

ペルソナシリーズ20周年作品としてリリースされた本作。©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

ペルソナシリーズ20周年作品としてリリースされた本作。©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

ペルソナシリーズ20周年記念作品としてリリースされた本作は、現代社会の心の闇をテーマに膨大なストーリーオシャレでカッコイイUI&BGM多種多様な悪魔(ペルソナ)達を使役して戦うバトルシステムや仲間との交流などが楽しめる作品です。

キーワードとなるのは「怪盗」であり、プレイヤーはオモテでは普通の高校生、ウラでは心の怪盗団として事件を解決していくという二重生活を送る事になります。

歴史あるシリーズですが、私が実際にプレイしたペルソナシリーズは本作が初めて。本作からペルソナを知った人も多いのではないかと思っています。

ストーリー展開は伏線と謎と驚きの仕掛けが盛りだくさん。ネタバレには十分に気を付けよう。

ストーリーはかなり驚きの展開となるので、公式でもネタバレ配慮の告知をしたほど。本作はキャプチャーボードを使わないとスクリーンショットや動画も撮れないようになっている。

ストーリーは謎と驚きの展開となるので、公式でもネタバレ配慮の告知をしたほど。本作はキャプチャーボードを使わないとスクリーンショットや動画も撮れないようになっている。

本作で最も優れているのが、序盤から張り巡らされた伏線とそれを回収していくストーリー展開です。最序盤、プレイヤーは訳も分からぬままどこかに潜入するのですが、そのまま警察に捕まり尋問を受けることになります。初見プレイヤーにとっては訳がわからない展開の連続ですが、物語を進めていくうちに全てが解決されていくカタルシスは最高でした。

制作側もストーリーに自信があったのでしょう、公式でネタバレ自重のお知らせを出したり、PS本体機能でのスクリーンショットや動画機能は制限されるなど対策をしています。とにかくネタバレを一切見ないでストーリーを体験してほしい作品です。

人の心の闇を上手く描いている。深層心理を覗き見る背徳感とスリル。

現代社会の生きづらさや抑圧を上手く描いている©ATLUS ©SEGA All rights reserved.


本作で特にいいな、と思ったのは、現代社会を生きる上で感じる息苦しさや抑圧、生きる意味など、誰もがなんとなく感じているフラストレーションを上手に描いていることです。本作では誰かの心の世界であるパレスがダンジョンとなるのですが、それぞれ個性的な造形デザインを持っていて、誰かの心の中に潜入するゾクゾクする背徳感やスリルといったものを味わうことができます。その人物の歪みが大きければ大きいほど心の世界であるパレスは大きく、複雑になっていく。主人公たちは心の怪盗団として他者の心に潜入し、その人が最も大切にしている心の中の「オタカラ」と対峙する。それがその人の心が歪んだきっかけであり、抑圧された心を象徴している。…色々と演出や仕掛けがうまいな〜と感じます。無意識や深層心理が好きな人ならハマるだろうなぁ。

SNSをゲームの演出に効果的に使っている。リアリティのあるゲーム体験。

現実のSNSの仕組みをゲームの演出に上手に組み込んでいる。©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

現実のSNSの仕組みをゲームの演出に上手に組み込んでいる。©ATLUS ©SEGA All rights reserved.


主人公達のしていることは、事件を解決する正義のためであるのですが、法律に照らして必ずしも良い行いとは言えません。他人の心の中に土足で踏み込み、大切なモノを奪い勝手に改心させていくのですから、一種のマインドコントロールをしている訳です。プレイヤーに自分たちのしていることが果たして正しいのか?を考えさせられる場面もあります。

序盤のどスケベ学校教師の事件の解決に始まり、徐々に心の怪盗団の解決する事件の幅が広がり、知名度も向上していきます。ネット社会、SNS社会によくあるバズ(拡散)の演出もあって、とてもリアルに本作の世界が描かれているのは特筆すべき点だと思いました。

絆を示すコープシステム。大人達との交流が多いのが良い。

幅広い世代と協力関係となり、絆を深められるのが本作の魅力。©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

幅広い世代と協力関係となり、絆を深められるのが本作の魅力。©ATLUS ©SEGA All rights reserved.


ペルソナは仲間や一部NPCとの交流を重ねられるのが魅力ですが、本作では学内の交流よりも、学外の交流が多め。怪盗団という闇で活動する立場を描いているからでしょう、他校の仲間や街の大人達との交流がメインです。

これがまた良いんですよね。主人公たちは自分たちの学校では影の存在として描かれていて、表立たないところで大きなことをしている感覚が心地よいし、都会で生きる上での孤独さも感じ取ることができる。街の大人たちとの協力関係(コープ)を築くことでそれぞれの生き様や悩みをどう克服していくのかの過程がぐっときます。下は小学生から、上は長年選挙活動をしている大人まで、同年代とだけ付き合うのではなく、幅広い世代と協力関係(corperation)になれるところが本作のストーリーに奥深さを与えています。

本作以上にカッコいいUIを私は見たことがない。ジャズテイストの音楽も加わり、全体としてかなりおしゃれな雰囲気。

あらゆるもの全てがカッコいい。©ATLUS ©SEGA All rights reserved.


UIとはユーザーインターフェースのこと。本作はそのUIがとにかくカッコいい。バトルの勝利演出や必殺技もそうですが、普段プレイヤーが接する画面のレイアウトもこだわりが施されていて、シビれるほどクールです。UI自体が世界を語っているというか。アイテムショップやお店のUIもそれぞれの世界観を演出していて、本作以上にこだわり抜かれたUIデザインを私は見たことがないです。インタラクティブデザインやモーショングラフィックスに興味がある人は必見と言えるでしょう。

まとめ 最高のゲーム体験を提供してくれたRPG。プレイする価値は絶対にある。

最高のゲーム体験をもたらしてくれたペルソナ5 ©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

最高のゲーム体験をもたらしてくれたペルソナ5。 ©ATLUS ©SEGA All rights reserved.

プレイする前は本作独特の世界観があって自分に合うかどうか不安でしたが、実際に遊んで見て一気に作品に引き込まれました。続きが気になるストーリー展開や、コープ(協力関係)を築いていく中でのヒューマンドラマ、造形美と機能美を兼ね備えたUIデザインとジャズテイストな音楽。ハマる人はとことんハマると思います。人生に行き詰まった時にプレイすると本作のストーリーや登場人物達のドラマを通じて、現実世界に立ち向かう励ましが得られるかもしれません。

惜しむらくは膨大なストーリーゆえに消化が大変なこと。そして名作であるゆえに記憶にずっと残ってしまい、完全版が2019年10月にリリースされるのですが、もう一度完全版を最初からやり直す気が起きない事でしょうか。

RPGが好きで、まだプレイしていない人は「ペルソナ5」をぜひプレイすることをお勧めします!

参考・出典

ペルソナ5 公式

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