ゲーム・映像業界の3DCG総合ソフトウェアのスタンダードである「Maya」のトレーニングブックを読破したので感想などを。初めて3DCGに挑む初心者目線のレビューです。
◆書誌情報
「Autodesk Mayaトレーニングブック第4版」
イマジカデジタルスケープ バウハウス・エンタテインメント部 (著)
ボーンデジタル 2018/01/25
目次(Contents)
初心者にはお奨めできないチュートリアル本
私は今年から3DCGにチャレンジしようとMayaを導入しました。Mayaの学習を始めてまず目に入ったのがこの本でした。日本語で読めるMaya関連の本は選択肢が極めて少ないのが現状です(2018年9月現在)。
本書は初心者向けに作られているようですが、全くの初心者がこれを一から読んで理解するのは不可能だと思います。理由は、とにかく広く浅くで理解が深まらない。これにつきます。
・ですます調で丁寧に解説しているように見えて実際は説明をはしょっている箇所が多い。
・専門用語で説明しているため、専門用語の理解がないとイメージできない説明の仕方が多い。
・細かなUIとか説明しなくても見れば分かるところまで事細かに説明しているためくどい印象を受ける。理解に必要な情報が分かりにくい。
・値段が高い7000円+税
本書の謳い文句としては「プロが教える」ことを強調していますが、プロが教えることと初心者が理解できることはイコールにはならないようです。
いいところとしては、Mayaの全体的な機能・出来ることを包括的にざっと確認できることでしょうか。
・Mayaの出来ることが包括的に日本語で学べる。
・ホットキー一覧として切り離し可能なショートカット一覧表が付属している。
巨大な紙媒体のMayaの取扱説明書みたいな感じです。普段説明書を読まないでゲームするタイプの人なら無理に買わなくてもいいと思います。日本語で機能の確認が出来るのが利点でしょうか。ただ、それにしても7000円+税という値段は非常に高額だと思います。オートデスクのMaya公式サイトで学んだ方が分かりやすいですし…。
とにかく無味乾燥なテキストで、積ん読防止の記事を書いたにもかかわらず全部消化しながら読破するのに大苦戦でした。本の構成やデザインはいいのだけれど、専門用語(カタカナ語)で専門用語を説明しているのでしんどかったです。
この本で学ぶのであれば、YoutubeのMayaチュートリアル動画の方がいいです。
むしろ、こういうコンピューターソフト系は本で学ぶよりも動画で見て覚える方が良いのでは?と感じています。ネットのチュートリアル動画を見つつ、創作意欲をかき立てながら自分で試行錯誤して何か作ってみるのが近道だよなぁ、と思います。
本書を読んで一番良かったことは本から学ぶのではなくYoutubeのチュートリアル動画を活用する気づきを得られたことですね。
総評
デザイン ★★★☆
読みやすさ ★
お奨め度 ★☆
普段説明書を読む習慣がないMaya(3DCG)初心者にはお奨めしづらいです。中〜上級者がMayaの機能をざっと確認するのには使えるかもしれません。
それにしてもMayaはソフト代も高いし関連本も高い!そう考えるとネットさえあれば無料でチュートリアル動画で学べるいい時代になったものだ…。
あと3DCGを学ぶにはやっぱり英語が大事ですね。Mayaに関する英語圏の情報は日本とは比較になりません。
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