出生順位と性格傾向 後生まれのほうがリスクを取る傾向にある?

みなさんは同じ兄弟でも何で性格が違うのだろう?と疑問に思ったことはないでしょうか。今回は出生順位がリスクを取る傾向に影響しているとする面白い研究を紹介します。

盗塁王は末っ子が多い

科学史家のフランク・サロウェイと心理学者のリチャード・ズワイゲンハフトさんの研究で、兄弟共にプロ野球選手として活動する400人以上を対象とし、似通った子供時代を過ごして、同じ家庭環境で育った選手たちの盗塁数を比較しました。

その結果、弟たちが盗塁を試みる可能性は兄たちに比べて10.6倍も高かったのです。兄のほうはストライクが多く、出塁を許した回数が少ない傾向でした。野球で盗塁をするのはリスクが高い行動です。

兄弟間の違いはリスクを負う傾向に現れていたのです

弟のほうが、兄たちと比べてリスクを追及する傾向が高く、24の研究で約8000人の分析からは、怪我をする確率の高いスポーツをするのは、あとから生まれた子のほうが1.48倍も多いとのことです。

ジャッキー・ロビンソン、ロッド・カルー、ポール・モリターという優秀な盗塁王といわれた3人すべてに3人の兄か姉がいました。

末っ子はリスクを取る傾向に

後から生まれた子がリスクを冒す傾向にあるのは野球に限った話ではありません。

セロウェイさんは科学の分野でコペルニクスの天文学からダーウィンの進化論、アインシュタインの相対性理論に至るまで20以上に及ぶ科学における大変革や大発見を分析しました。

「現在主流になっている見解を極端に支持する保守的な立場」と「新しいアイデアを極端に支持する革新的な立場」を見たところ、後生まれの科学者がコペルニクスなどの革新的な説を支持する確率は第1子の科学者に比べて5.4倍も高かったといいます。後生まれの科学者ほど通説を大きく覆すような劇的な変化を支持する傾向にあったのです

若い科学者の方が年齢を重ねた科学者よりも革新的な考え方に対して柔軟であると思われがちですが、年齢よりも出生順位が影響していたとのことです。

「80歳になる後生まれの科学者の方が第一子として生まれた25歳の科学者よりも進化論に関しては寛容であった」サロウェイ

下の子の方が大胆な行動をとりやすく、先に生まれた子ほど保守的になりやすいとのこと。

後生まれの子は生まれつき反抗する気質が備わっているのかもしれません。

みなさんの周りはどうでしょうか?親戚や知り合いの兄弟構成を聞いてみるのも面白いかも知れません。ちなみに私は末っ子ですが、概ね当てはまっていると思いました…!

参考・出典

「ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」が出来る時代」 アダム・グラント (著) シェリル・サンドバーグ (解説) 楠木 建 (監訳) 三笠書房 (2016/6/24)

 
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