「Castlevania 白夜の協奏曲(キャッスルヴァニア びゃくやのコンチェルト)」は2002年6月6日にコナミよりGBAで発売された探索型アクションアドベンチャーゲームです。私はWiiUのバーチャルコンソール版を遊び、クリア時間は6時間ほどでした。昔のゲームはサクサク終わるので気晴らしにはちょうど良いです。
■バーチャルコンソール(VC)版PV
目次(Contents)
ストーリーや舞台背景は?
悪魔城ドラキュラシリーズの海外タイトル名が「Castlevania」で、本作はシリーズタイトル統合の流れで海外版と同じCastlevaniaと名乗ってますが悪魔城ドラキュラシリーズの一つです。結局「悪魔城」に馴染みがあるユーザーにとっては紛らわしいことで日本では「悪魔城」に統一されることになります。本作はキックスターターで資金を集め、「Bloodstained」を作った五十嵐孝司ことIGA氏による初のオリジナル作品でもあります。
本作の舞台背景は過去にシモン・ベルモンドが魔王ドラキュラを退治した後の時代。ベルモンド一族の末裔ジュストが主人公で彼の親友マクシームと幼馴染のリディーとの絡みで物語が展開していきます。修行に出たマクシームがジュストの前に2年ぶりに現れた時、傷だらけの状態で記憶喪失のまま、幼馴染のリディーがどこかへ連れ去られたことを告げます。主人公ジュストはマクシームの案内のもとリディーが連れ去られた場所へと向かい、そこが本作の冒険の舞台となるドラキュラ城だった…という展開。
ドラキュラはまだ復活しておらず、いったい誰がどのようにしてドラキュラ城を復活させたのかが一つの謎として提示されています。前作の反省が活かされたのか、異形のものが蠢くドラキュラ城は鮮やかな発色のカラーで描かれており、暗く陰気的な前作とは全く違う印象を受けます。
アクション的な要素よりも、探索が難しい。
プレイしてみて、本作はアクションの難易度よりも探索の難易度がずっと難しいと感じました。悪魔城といえば難易度が高いアクション要素を持つボスとの戦いがありますが、本作はボスの数は多いものの、大体が初見で勝ててしまうようなものでした。さらにRPGのようにレベルがあり、回復アイテムも城内のお店で大量に買い込むことで無理なく突破できます。
むしろ難しいのが探索パート。表と裏の二つの悪魔城を行き来しながら広大な城内を探索していくのですが、思っていた以上に複雑で、障害や壁に阻まれたりしてスムーズに探索ができず苦労しました。
プレイしている最中、裏の世界に進むための扉の操作法がわからなくて、城内を再度全部回ったりして苦労しました。実際はこの扉の前で上を押すと裏の世界への扉が開き、下を押すと同じ世界の違う扉にワープするというものなんですが、最初にこの扉を見つける部屋ではドラキュラの腹心である死神が扉の向こうに行ったあとにパシャりと扉を閉じてしまうので、まさかそのまま先に進めるとは気づきませんでした。
前作にはあった隠し部屋は撤廃されていますが、表と裏の二つあるのでとにかく広いです。それぞれ背景や敵キャラなど微妙な変化がもたらされているのもいいですね。
マルチエンディングが用意されているが、初見だと気づきにくいかも
本作はマルチエンディングで、初見だとバッドエンドになりがちだと思います。物語として「思い出」というのがキーワードになっているのですが、バッドエンドの中で主人公が語るセリフが大きなヒントとなっています。クリアすると親友マクシームをプレイヤーキャラで使えるようになったりしますが、私がつまづいたのは裏の悪魔城のラスボスがいる部屋の扉の鍵のこと。2019年の今では攻略サイトでの情報も有力なものがなくて、ドラキュラの魔導器を全て集めることで道が開きました。
感想・まとめ 探索に骨が折れた分、エンディングには淡白な達成感を得た作品
GBAの作品らしく6時間程度でクリアできるコンパクトなボリューム感ですが、探索の大変さで体感したプレイ時間はもっと長い印象です。苦労してエンディングにたどり着いても唐突にバッドエンドで終わってしまったり、エンドロールも短くて淡白な終わり方でした。グッドエンディングはなるほど、といった感じで一つのゲームを消化した達成感はありました。
蛇足(ネタバレ注意):TAS(Tool-Assisted Speedrun(変態プレイ))が活発に行われている作品。
悪魔城ドラキュラ界隈ではユーザーの間でスピードクリアのためにエミュレーターを利用したツールアシストスピードランと言われる理論上実践可能ではあるが、人の手では実質不可能な最速クリアといったやりこみプレイが行われています。あまりにも高速に動き、挙動も変態的なため、ネットでは本作のキャラの操作がネタにされています。想像を絶する動きをするので、よくもまぁこんなやり方を思いつくよな…と思います。
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