未知の異生物と人類との闘いを描いた「All You Need Is Kill」(全2巻)。歩く画力と評判の小畑 健さんが作画を担当しているという事で購入した漫画です。内容は「異生物と人類の戦争がテーマで、戦いで死んだ時の記憶を保持しながら何度も過去からやり直していくループもの」です。最初から怒濤の展開で一気に引き込まれるストーリー展開です。
目次(Contents)
第1巻 まとめ
冒頭から怒濤の展開。自分が殺される悪夢で目覚めた主人公ケイジ。人類は異生物(ギタイ)の侵略を受けており、人類を根絶やしにしようとしている状況。その中で主人公は出動前日の兵士として訓練を積んでいくが、どうも時間軸が混同している。夢の内容で見たことのあまりにも現実的な実感や、これから起こる未来のことを言い当て予知できる力、まるで自分自身が未来から過去に戻ってきたかのような違和感から離れられない。ギタイと対決する出動前夜、夢のようには自分は死んでたまるか!と思うが、現実は虚しく夢の通りにギタイに殺されてしまうケイジ。そして自分が死んだと思って目覚めるとなんと冒頭の出撃前日の自分の部屋のベッドの上であった…。
日本が戦争に巻き込まれたらどういった感じになるのかを考えさせられる内容。異生物に対抗する兵器は日本にしか残っておらず、それを死守する事が人類が生き残るキーとなっている。女性ヒロインの兵士リタとの出会いも印象深い。訓練の場で初対面したリタはギタイ討伐における負け知らずの存在として注目を集めていた。このとき主人公が感じた違和感はストーリーが進むことで解決されていく。
自分の死が確定した未来からどう逃れようかと試行錯誤している場面が印象深く、面白い。なぜこの時間軸に閉じ込められてしまったのだろう?翌日には確実に死が待っているというのに。
主人公は運命のままに何度も死ぬが、全ては無駄とはならず経験値として蓄積されていく。記憶と戦闘経験を身につけた主人公はまさにゲームでいう強くてNEWゲーム状態。2週目、3週目、と果てしなく続く死の連鎖の果てに最初の頃では考えられなかった高い戦闘能力とサバイバルスキルを身につけていく。死すらも味方につけた主人公はどう異生物との戦いを乗り越えていくのか。
第2巻 まとめ
完結編。前作で出会ったヒロイン、リタが重要な役割を持つ。時間ループの原因などの伏線が全て解決されていく。死と戦いの輪廻の果てに強靭な戦闘力を身につけたケイジはリタのことについてもよく知るようになる。なぜ彼女が戦場で最強と崇められているのか。なぜこのような死と再生の繰り返しが起こっているのか。
前作から引き続き怒濤のストーリー展開。リタとケイジはお互いを信頼し、高め合う仲に。時間の繰り返しの元凶や未来の為の究極の選択など、なかなか考えさせられる内容。
感想
漫画は全2巻なので短くまとまっているのが良いですね。原作は桜坂洋さんによるライトノベル。アメリカで実写映画化もされました。小畑健さんの安定した圧倒的な画力は素晴らしく、相変わらず整った顔立ちのキャラが多いですね。絵が上手い分、戦場の描写もグロテスクで目を覆いたくなるほどリアル。
絵も綺麗で短くて一気に読めるので、SFやループものが好きならぜひ読んでみてください。
動画資料
■トム・クルーズ主演映画 「オール・ユー・ニード・イズ・キル」予告編
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