【感想 評価】隻狼 せきろ SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE クリア後レビュー 高難易度剣戟アクションはプレイヤーに成長の喜びを提供し、最高のプレイ体験だった。

SEKIRO せきろ、せきろう ps4

SEKIRO せきろ、せきろう ps4
隻狼(せきろorせきろう) SEKIRO:SHADOWS DIE TWICEはフロム・ソフトウェアとアクティビジョンが開発した高難易度アクションアドベンチャーゲームです。発売日は2019年3月22日。日本の戦国時代が舞台で、隻腕(せきわん)の忍びである狼(おおかみ)を操り、死線をくぐり抜けるかのような手に汗握る剣戟(けんげき)アクションを味わえるのが本作の魅力です。私の1週目クリア時間は53時間で、ラスボスを倒した時はあまりの達成感に震える程感動しました。

SEKIRO(せきろ)とはどういうゲーム?内容まとめ

SEKIRO せきろ

©2019 FromSoftware, Inc. All rights reserved. ACTIVISION is a trademark of Activision Publishing Inc.


SEKIROの背景となるテーマについてまとめます。時は日本の戦国時代。「葦名(あしな)一心」が一代で築いた「葦名の国」を舞台に、「竜胤(りゅういん)」と呼ばれる特殊な血を持つ御子を巡っての物語です。主人公の狼(おおかみ)は戦場で梟(ふくろう)という忍びに拾われて忍びとして育てられました。

竜胤というその特殊な血がもたらすもの、それは不死の力。竜胤を持つものは自ら定めた者に不死の力を授ける事が出来ます。梟を義理の父として育てられた狼は、竜胤の力を持つ御子(みこ)と主従関係を結び、不死の力を授かります。この不死の力は回生の力としてゲームシステムに組み込まれており、一度戦闘で死んでもその場で蘇ることができるという、高難易度で何度も死ぬことが多い本作での道中を支えるものとなっています。

SEKIRO

不死をもたらす竜胤の力を持つ御子は忍である狼に回生の力を与える ©2019 FromSoftware, Inc. All rights reserved. ACTIVISION is a trademark of Activision Publishing Inc.

多くの人間が死んでいく戦国時代において、「死なない力」は権力者にとって利用する価値の高い存在です。そのため竜胤の御子も運命に翻弄される人生を送ります。それを支えていくのがプレイヤーの分身となる狼です。

不死の力は本作の大きなテーマとなっていて、竜胤の力とは別に、蟲付き(むしつき)変若水(おちみず)など不死の力の源となる存在があります。竜胤が最も強力な不死の力だとすれば、他の蟲付きや変若水は不完全な不死の力です。プレイヤーは、竜胤の力はなぜあるのか?そして不死の力がどのように人を惹き付け、人の生き方やあり方を変えていくかをプレイする中で体験して行きます。

本作の売りは手に汗握る剣戟(けんげき)アクション。高難易度ゲームであることは間違いが無いが、それを乗り越えることで他にはない達成感が得られる。

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体力とは別に体幹を重視した高難易度剣戟アクションが特徴。©2019 FromSoftware, Inc. All rights reserved. ACTIVISION is a trademark of Activision Publishing Inc.


大まかなストーリーは不死の力を巡る竜胤の御子と葦名の国の存亡といったところですが、やはり本作の一番の特徴は「体幹」を重視した死線をくぐり抜けるかのような手に汗握る剣戟(けんげき)アクションです。

本作では体力とは別に体幹が設定されています。体幹とは体のバランスのことですが、真剣勝負そのものであるSEKIROの世界において、体幹を崩すことは死を意味します。主人公は忍殺という一撃必殺の技で敵にとどめを刺していくのですが、相手の体幹を崩すことが出来れば相手の現在の体力がどれほど残っていようと忍殺が可能となり一撃で相手を倒せます。これまでこうしたゲームでは相手の体力をコツコツ削って0にするか、崖に落下させるかしかなかったものが、体幹という体力とは別の要素で勝敗を決めることが出来るようになったのは、ゲームプレイの幅を大きく広げるものだと思いました。

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狭い場所ではいかに勇気を持って相手の攻撃を弾くかが重要となる。©2019 FromSoftware, Inc. All rights reserved. ACTIVISION is a trademark of Activision Publishing Inc.


とはいえ、最初の頃は手こずる難易度である事は確か。相手の攻撃のタイミングでガードボタンを押して相手の攻撃を弾いて体幹を削る事がSEKIROにおける最も重要な技術となるのですが、慣れないうちはなかなかタイミングを掴めません。相手の容赦のない攻撃で死んで何度もやり直すことが多いでしょう。プレイヤーが粘り強く練習してプレイヤースキルを伸ばしていくタイプの難しいゲームであるため、買ってすぐに挫折する人や、イライラして投げ出してしまう人も出てくるのも分からないではありません。

それでも何度も練習して、試行錯誤して無理だと思った敵を攻略した時の達成感は他では味わえない体験です。

理不尽な難易度では無い。非常に高難易度だがプレイヤーのスキル向上の観点からは最高のゲームバランス。

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馬や犬などの獣は爆竹におびえるという弱点がある。©2019 FromSoftware, Inc. All rights reserved. ACTIVISION is a trademark of Activision Publishing Inc.


高難易度ではありますが、理不尽な難易度ではないと思います。同様の高難易度アクションアドベンチャー作品に同社のダークソウルシリーズやブラッドボーンなどがありますが、SEKIROは一番バランスが取れていると感じました。本作は完全オフラインでソロプレイで攻略する必要があり、以前の作品にあった他のプレイヤーの助けを借りて難所を乗り越えていく事が出来ません。だからこそ敵の難易度に細心の注意を払っていると感じる箇所があります。

例えば、大型で複数を同時に相手にするボスは数回に抑えられており、スタミナが無限なのでいつまでも走ったりジャンプしたり動き放題です。ガードが極めて優秀で、こちらの体力が減る攻撃は殆どありません。ガードの上から体力を削る攻撃は動きが大ぶりでよく見ればこちらの攻撃のチャンスとなることが多いです。危険攻撃というガード出来ない攻撃も下段攻撃である事が多くジャンプで乗り越えたり、突きは見切りをすることで一転してこちらにとって有利な行動となる案配が素晴らしいです。

ごり押しでは勝てないゲーム設計。プレイヤーに考える機会を与えてスキルの向上を促していく。

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ゴリ押しでは絶対に勝てないので、否応にもプレイヤースキルを向上せざるを得ない。そこを面白いと感じるか、理不尽と感じるか。©2019 FromSoftware, Inc. All rights reserved. ACTIVISION is a trademark of Activision Publishing Inc.


ゴリ押しでは絶対に勝てないので、否応にもプレイヤースキルを高めることを要求されます。相手もガードをしてきますから、相手の出方を伺い隙をつく観察眼が必要です。どうしても勝てない時はふと立ち止まってなぜ勝てないのかを考えましょう。例えば、なぜこんなにも相手の攻撃が痛いのかを考えてみると、実はガードで受けるのでは無くステップやジャンプといった回避重視で動いてみることが大切だと分かったり、相手がこちらから距離を置こうとする傾向があって、こちらが守り重視だとジリ貧になって負けてしまうのであれば、今度はこちらから積極的に近づいて攻めに重きを置いてみようといったように、これまでとは違った戦略や行動、使わなかった道具を用いることで活路が開けます。それでも勝てないのなら、あとは時間を置くことも必要かもしれません。私の場合は無理ゲーだと感じた箇所が、翌日になったらあっさり攻略できたことも多いです。

回生は連続して使えません。忍殺をすることで再び回生は使えるようになるのですが、回生が連続して使えない事で不満を持つプレイヤーも多いと聞きます。ただ、これはプレイヤースキルの向上の観点からいえば凄くバランスが取れている仕組みだと個人的には思います。連続して回生をしなければならない局面に追い込まれることはプレイヤーがまだスキル不足ということ。それぞれの敵には「はじきを覚える」「ジャンプして回避する」「積極的に攻めに回る」などの攻略のポイントが用意されていて、その抜け道を突くことでごり押しでは無い攻略が出来るように設計されています。ボスは複数忍殺が必要ですが、ボス戦では一度忍殺決めることで再び回生が使えるようになっているという絶妙なバランス。

最初のうちや、やられているうちは難しすぎる!理不尽な難易度だ!糞ゲーだ!と感じることもあるかもしれませんが、負ける原因をよく考えて敵の動きをよく観察する事で難所を突破できる点でSEKIROはこれまでのデモンズソウル、ダークソウルに連なる作品群の中で最もゲームバランスに優れていると私は思います(他作品だとオンラインで他者の力を借りて攻略した箇所がいくつかあった)。実際には何度も負けて苦しいはずなのに、夢中になって何度も何度も挑戦してしまう…。あと少し、もうちょっとで勝てそうな事の連続にフロー状態に入る事は必然的。ボスに試行錯誤していたらあっと言う間に2時間ぐらい飛んでしまうほど。ここまで熱中し、没頭していけるのはゲームならではの最高の楽しみだと思います。

気になったところなど

狭いところで激しく暴れる火牛との戦いは唯一投げ出しそうになったところ。カメラがキャラを見失い、ゲーム全体の中でここだけは理不尽だと感じた。©2019 FromSoftware, Inc. All rights reserved. ACTIVISION is a trademark of Activision Publishing Inc.


高難易度アクションアドベンチャーとしてのゲームバランスは満足していますが、不満な所もあります。それは戦闘時のカメラの挙動。本作では激しい動きをしますが、カメラが障害物をすり抜けないため、カメラが変なところを向いてしまい自分の位置や相手のターゲットを見失う事が起こります。一瞬の気を許すことが出来ない緊迫状態の連続なので、カメラのせいでキャラを見失いそのままあっけなくボコボコにされ死んでしまうことが何度かありました。

人によっては血のグラフィックや虫(ムカデ)が苦手な人はキツいかもしれません。血の演出はOFFに出来ますが、虫に関しては…。他に、狼はスキルを覚えて技を習得することができます。その最高奥義が威力の割に消費する形代(かたしろ*弓矢のような消費アイテム)が多すぎることぐらいでしょうか。

デスペナルティ竜咳(りゅうがい)について

SEKIRO せきろう

回生の力の限界を超えて死亡しても復活することができる。これも竜胤の力によるものだが、周囲の正常なものの生命を歪めて竜咳(りゅうがい)という病をもたらしてしまう。©2019 FromSoftware, Inc. All rights reserved. ACTIVISION is a trademark of Activision Publishing Inc.


敵と戦って、一度死亡しても回生することで狼は蘇る事が出来ます。それを利用して窮地を乗り越える事も出来ますが、回生の力を超えて死んでしまうことも多いでしょう。その場合でも竜胤の力で狼は復活することができますが、その際周囲の関わりのある人物(NPC)の生命力を奪ってしまい、その結果彼らを竜咳(りゅうがい)という咳の病に陥らせてしまいます。こうした竜咳に掛かったキャラを放置しても彼らが死亡することはないものの、NPCの会話が無くなります。また、溜めていたスキルポイント(スキルレベルは下がらない)や銭が半分になってしまう上に、一度失ったものは取り戻せないのはプレイヤーとしては萎える仕組みであり、初心者が投げ出してしまうきっかけだと思いました。もちろん不死の力が人のあり方を歪めることをテーマとした本作の世界観の説明としては素晴らしい演出ですし、死亡しても何も失わない冥助(めいじょ)と呼ばれるシステムはありますが、最初の頃は何度も死ぬので竜咳患者を増やすことは必至なのでかなり厳しく感じました。竜咳は直す方法があり、中盤から後半に行くにつれて竜咳は気にはならなくなりますが、今度は強敵と戦う前に中途半端に溜まったスキルポイントや銭を消費するのは面倒くさく感じました。

その他の要素 ステルスや忍具など

SEKIRO せきろ

意外とゆるいステルス要素。©2019 FromSoftware, Inc. All rights reserved. ACTIVISION is a trademark of Activision Publishing Inc.


狼は忍びなので敵の背後からしゃがみ移動などで気配を消すことで、こちらに気づいていない敵を一撃で忍殺することが出来ます。このステルス要素は意外と緩く設計されており、強敵にも一度なら有効であることが多いのは親切な設計です。周囲を探索し、気づかれずに背後から忍殺を決めていくのはまるで自分が忍びになったかのようなプレイ体験です。義手を利用した遠い箇所へのジャンプもPS4Proだと60fpsでスタイリッシュでとても気持ちいいです。

忍具は爆竹や手裏剣、毒の短剣などの道具ですが形代(かたしろ)を消費します。どれも個性的でよく出来ていますが活用しなくても刀での弾きが重要なので依存せずとも攻略は可能です。ただ形代の最大所持数はもうすこし多くても良かったかもしれません。初期値が15ですが、すぐに使い切るので結局刀での戦闘でいいやと思う事も。鉄傘など防御に優れた忍具は弾きが苦手な人にとって救済となるでしょう。

クリア後の要素は?取り逃し要素は?

クリア後は全てを引き継いだ上で2週目に行きます。本作はマルチエンディングが用意されています。攻略サイトのトップページに堂々とエンディングタイトルのネタバレが書いてあるのでうっかり見ないように配慮する必要があります。分岐はそれほど神経質にならなくてもだいぶ後半になってからフラグの回収は可能となっていますが、中盤の盛り上がりの箇所での選択肢は自分の心に従って素直に答えることと、一つのエンディングの条件はこっそりと人の話を聞く必要があるなどとても気づきにくい条件であることに注意が必要です。クリア後は「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」という英語タイトルからいろいろ想像を膨らませてどんなエンディングが狼にとってベストか考えるのも楽しいです。

周回プレイでアイテムは後からいくらでも回収できるのでNPCとの会話やイベント、エンディングが本作で言う大きな取り逃し要素となるでしょう。エンディングの種類は道中のフラグ立ては必要なものの、複数並立することができ、なおかつ最後の選択で決まるので、周回が面倒くさいならラスボスを倒した後のデータをPS+にバックアップして、エンディングを見た後にコピーしてダウンロードして別の選択を取ることで回収することができます。

2週目以降は主にボス戦がメインとなるので道中の敵はすっ飛ばして一周のプレイ時間は大幅に短縮できます。敵の強さは上がるものの、こちらも攻め力を上げることが出来るので、1周目よりも大味に、弾きが重視される闘いがメインとなるでしょう。2週目以降はプレイヤー自身が自らのプレイスキルの向上に驚くでしょう。強敵との闘いがこの上なく楽しいゲームなので、1周目は出来なかった戦い方を試して見るのも面白いです。

SSDに換装したおかげか、ロードも短いと感じた

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PS4Pro SSD環境だとロードは快適で早い ©2019 FromSoftware, Inc. All rights reserved. ACTIVISION is a trademark of Activision Publishing Inc.


このゲームは何度もステージをリトライする必要があるのですが、その時に気になるのがロード時間です。ロード時間に関しては以前PS4ProをSSD換装したからか(参考)、ずいぶん早く快適でした。

総評と感想

SEKIRO せきろ

戦国時代の日本を舞台にした不死の力を巡る物語。血なまぐさく、おどろおどろしい雰囲気を帯びながらもどこか神妙で退廃的な世界観。ストーリーは多くは語られず、アイテムテキストや登場人物の会話からプレイヤー自身で想像するかたちで提示されます。こうしたゲームで多くを語らずに主人公目線から世界を覗くストーリーテリングは多くのフロムソフトウェアのゲームに見られる特徴です。こうした硬派なゲームが世界的にも売れるようになったのは素晴らしいと思います。本当に買って良かった、プレイして良かったゲームでした。本作から得た血湧き肉躍る興奮と達成感はずっと忘れないで心の中に生き続けると思います。

動画資料

■ゲーム内容紹介トレーラー

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参考・出典

SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE | 隻狼 公式サイト
SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE
公式サイトのキャラクター紹介ページ
Activision公式 SEKIRO サイト(英文)

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