失敗から学べること 「失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!」大野正人 レビュー

今回は「失敗図鑑」という本を扱います。この本との出会いはAmazonで買い物をしていたとき“こちらもお勧め”と出てきたところを表紙のデザインとタイトルに惚れて買ってしまいました。買う前まで子供向けの本だと分からなくてひらがなやルビの多さ、子供向けの文体に戸惑いましたが大人でも学べることが多い本です。特に完璧主義な人ほど読む薬としてお勧めできます。

書誌情報
「失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!」大野正人:著 死後くん:イラスト
文響社 (2018/5/2)

成功している人も、みんな失敗している。

多くの偉人を扱った本はその人の成功法則やどんな偉業をしてきたかばかり取り上げられて、その人がどんな失敗をしてきたかを扱っていません。ところがこの本はまるで違います。偉人として歴史教科書に載るような人物でも、同じ人間として失敗や欠点もたくさんあるんだよ!と失敗を肯定的に伝えてくれる本です。

「失敗図鑑」で紹介されている失敗まとめ
・成功・特許にしがみついたライト兄弟
・農村復興の際に逃げ出してしまった二宮尊徳
・時代遅れで古くさいと言われたココ・シャネル
・天才というキャラを演じたために死にかけたサルバドール・ダリ
・かなりのやんちゃで問題児だったベーブ・ルース
・イギリスへ英語の勉強をしに、国からお金を出して貰っていたのに引きこもり状態に陥ってしまった夏目漱石
・人の意見が全く聞けなかったジークムント・フロイト
・正直すぎて大炎上した与謝野晶子
・耳が聞こえなくなっても人に助けを求められず、一人もがき苦しんだルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
・居場所を失っても自分を貫き通したスティーブ・ジョブズ
・悪口を言うことをやめられなかった手塚治虫
・得意なこと以外全く出来なかったアルベルト・アインシュタイン
・自分の容姿へのコンプレックスを生涯抱え続けたオードリー・ヘプバーン
・理想が高すぎて自身は本もまとめられなかった孔子
・あまりにも繊細で傷つきやすかったアルフレッド・ノーベル
・ギャンブル依存症だったフョードル・ドストエフスキー
・新しすぎて全く理解されなかったパブロ・ピカソ
・調子に乗って人から支援されたお金を使い切ってしまう野口英世
・こだわりすぎて映画を作らせて貰えなくなってしまった黒澤明
・親の期待を裏切り続け、親からの支援を受け続けるニートだったチャールズ・ダーヴィン
・日本を見下した発言をしてしまい、一気に日本からの人気を落としたダグラス・マッカーサー
・配給会社からナメられて、不利な契約を結ばざるを得なかったウォルト・ディズニー
・人生の中で数多くの色んな失敗を繰り返してきたカーネル・サンダース

読んでみて、みんな色んな失敗をしているけれども、それがきっかけで人との出会いにつながったり、失敗をバネにして頑張っていることが分かります。また失敗や欠点それ自体がその人の大切な個性であり、無くてはならない特徴を作り出しているのが分かります。失敗がその後の大きな成功をつかむきっかけになることも多いのです。

総評

お勧め度(10段階) ☆☆☆☆☆ ☆
失敗をテーマに偉人たちを取り上げた本です。人間誰しも失敗するもの。挑戦には失敗がつきもので、その失敗を前向きに捉えられるようになる本です。小学生ぐらいの子供にはとてもお勧めできる本です。イラストも内容に合っていますし、読みやすく構成や伝え方がうまいです。文体が子供に問いかける形なので、大人が読むには少々きつい感じはありますが完璧主義で苦しんでいるのであれば心を緩めてくれるきっかけとなる本でしょう。やっぱり人間は失敗が有るからこそ魅力的に映りますね。どんな偉人でも失敗や欠点はあるもの。自分や他人の欠点も寛大な心で接していこう!と思いました。

 
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