「ファイアーエムブレム無双」はコーエーテクモゲームスより2017年9月28日に発売されたNintendo Switch、Newニンテンドー3DS用のゲームです。私はスイッチ版を買い、ストーリークリア時間は11時間ほどでした。
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どんなゲーム?
任天堂とINTELLIGENTSYSTEMSが持つシミュレーションRPG「ファイアーエムブレム」シリーズの世界観を活かした無双お祭りゲームです。無双ゲームというのはコーエーテクモが得意とするプレイヤーキャラクターを自由に操作して大勢の雑魚キャラをやっつけボコボコに吹き飛ばす爽快感が特徴のシステムのこと。ザコ敵が密集しているところをプレイヤーキャラの必殺技で爽快になぎ倒していくのはスカッとして気持ちいいです。
ファイアーエムブレムシリーズの中でもコザキユースケ氏がキャラクターデザインした「ファイアーエムブレムif」と「ファイアーエムブレム覚醒」のキャラが多め。これらの作品が好きだったり、コザキユースケ氏のキャラデザが好きならヌルヌル動く生き生きとしたアニメーションに魅了されること間違いなし。
全員美男美女で整った顔立ちのキャラクター達です。過去作のマルスやチキなどといったシリーズおなじみのキャラも登場し、DLC不要で操作できるようになりますが出番やストーリーに絡む機会で多いのは覚醒とifのキャラクターなので、昔ながらのファイアーエムブレムのファンからはこれは「ファイアーエムブレム覚醒&if無双」と揶揄されることも。
ファイアーエムブレムのシミュレーション要素もあるが…。
「無双ゲーム」はプレイヤーが難しいことを考えずにただ敵を吹き飛ばせば良いのが売りでもあり、単調さを生む欠点でもあります。しかし本作はシミュレーションRPGのファイアーエムブレムでありますから、ある程度の戦略性や武器の相性などによる組み合わせが戦闘に深みを出しています。例えば空を飛ぶペガサスナイトという兵種は弓にめっぽう弱く、すぐにやられてしまいます。
ただ、私の場合は疲れたときにスカッと息抜きしたい気持ちがあったので、ストーリークリアまでごり押しして突破しました。難易度ノーマルであれば全ステージ誰も死亡させることなくクリアできました。ヒストリーモードやハードやルナティックモードなど上位の難易度だとしっかりと考えてキャラクター達を配置する必要があります。
気になった点1.出撃操作キャラ数が少ない
気になった点としては、大勢のキャラクターが仲間に加わる一方で出撃できるキャラ数に制限があり、広くまんべんに育てることが難しいことがあります。戦闘に参加しなくても施設でレベルを上げられますが、かなりコストがかかります。貴重なアイテムを使い上級職になることで全員を第一線のキャラにする事ができますが、結局はお気に入りのいつも出撃するメンバーで固定されてしまうことが多かったです。
気になった点2.とにかく急かされる
ゲームをプレイしていてかなり頻繁に「急いでください!」「早く助けに行きましょう!」「砦が陥落しそうです!」などと急かされます。実際のゲームの制限時間はかなり余裕がある設計なのですが、ゲーム内で何度も急かされるので戦闘中は常に何かに追い立てられるような消耗感があります。一つの戦闘も10分以上掛かるので、疲れたときなどはゲームを開始する気が起きないことも。プレッシャーに弱い人はストレスかもしれませんね。
取り返しのつかない要素は?
最初に選ぶ主人公キャラクターの性別はずっと固定されます。私は最初男性主人公でプレイしましたが、後になって元気すぎてうるさかったので最初からやり直して女性主人公に変えました。選ばなかった性別の主人公もストーリーの序盤の後半のほうにプレイアブルキャラクターとして加入します。
ゲームスタイルはファイアーエムブレムシリーズ伝統のキャラクターがロストするクラシックモードとキャラロストしないカジュアルモードがあり、一旦カジュアルモードにすると後からクラシックモードにすることはできません。基本的にステージも何度もやり直しが可能なので、取り返しのつかない要素は無い、という印象です。
クリア後はどうなるの?やりこみ要素は?
ストーリークリア後はデータは全て引き継げた状態の上、ストーリーモードを自由に章選択でプレイできるようになります。新たな高難易度も追加され、ストーリークエストとは別の新たなヒストリーモード(歴代のファイアーエムブレムシリーズの場面をモチーフ)のステージが追加されます。やりこみ要素はかなり充実しており、キャラクターモデリングを眺めるミュージアムやキャラクター同士の絆会話、他にストーリーとは関係が無い地図の収集要素があります。ストーリーはあっさりしているので、ヒストリーモードで徹底的にやりこんでいく感じです。
Switch版と3DS版の違いは?
Switch版と3DS版の違いについては、画質の違いになります。Switchの3Dムービーなどは2Dのキャラクター達がとても綺麗な映像として表現されているので、原作やキャラが好きならSwitch版を強くお勧めします。また、実績としてヒストリーモードのステージのクリア時間などがありますが、3DSとSwitchでは3DSの方が時間条件が緩められています。
良い点などまとめと感想
満足度は80パーセントぐらい。ファイアーエムブレムのシリーズの要素をよく無双というシステムに落とし込めたな、と思います。難易度もストーリークリアぐらいならごり押し出来るのが良い調整。メインストーリーは期待していなかったのですが、かなり単純なもので子供向けという印象。他にも一部の敵が硬くてなかなか倒せなかったり(武器の相性3すくみ無視のごり押しでプレイしていたため)、一つのステージに時間が掛かりますがキャラクターやグラフィック、音楽(BGM)が良い出来なのでスムーズにクリアまで行けました。
ファイアーエムブレムのキャラクターゲームとしての要素が強く、これまでの作品をプレイしていないと深くまで味わえないかもしれません。出典元のキャラクター達の掛け合いややりとりなどは原作をプレイしてこそ味わえる面白みがあります。
■どんな人向けか考察
・ファイアーエムブレムシリーズの中で覚醒とifがプレイ済みで、その作品のファン。
・コザキユースケ氏のキャラクターデザインが好き。
・2D調のキャラクター達がヌルヌル動くモデリング技術を味わってみたい。
・カッコイイ技でザコ敵達を一掃したい、無双してフルボッコにしたい欲求がある。
2D調の3Dアニメーションムービーはかなりのクオリティ。原作のファイアーエムブレムifと覚醒がどれだけ好きであったかが本作の満足度にも影響するでしょう。