MUM効果とは?人が持つ悪いニュースを伝えたくない傾向と知らないものは悲観的に考えてしまう傾向について

MUM効果とは?人が持つ悪いニュースを伝えたくない傾向と知らないものは悲観的に考えてしまう傾向について

皆さんはMUM効果(マム効果)って聞いたことがありますか?

MUM効果のMUMとは、「ものを言わない、沈黙」という意味のMumで、私達が悪いニュースを伝えるときにはそれを回避し、逆に私達がなにか情報を受け取る側の場合、その対象に関する情報を知らなければ知らないほど悪い風に解釈してしまう人間の傾向を表しています。(MUMについては「お母さん(mum)にテストの悪い点数を知られたくないときの心理」「The MUM effect (Minimizing Unpleasant Message」不快なメッセージを最小化するという英語の頭文字から来ているとの情報もある))

情報の伝え手としてのMUM効果。悪いニュースは相手に伝えたくない。

失職した、重い病気にかかってしまったなど、憂鬱な気持ちになる情報は相手に伝えたくないもの。誰か知り合いに伝えるときには言葉を濁したりしますよね。これが重要となるのが会社組織で働いている時。自分がなにか失敗してしまったことを正直に報告できず、すこし情報や事実を曲げて相手に伝えてしまうことがあります。失敗を隠してしまうことで問題の解決が遅れたり事態がより悪化してしまうこともあるでしょう。

人には無意識にネガティブな情報への防衛機制が働いていて、自分が誰かに悪い情報を伝えることで自分の評価や評判が下がることを恐れる本能的な仕組みが備わっているのですね。

そう考えてみると就職活動ではお祈りされるときほど連絡が遅く(内定が決まる人にはすぐに連絡が行く)、これにも採用側のMUM効果が働いているのかもしれません。

受け手側のMUM効果。私達は対象を知らなければ知らないほど悲観的な予測をする傾向がある。

MUM効果には受け手側のMUM効果もあります。みなさんはどれだけ相手のことを知っているでしょうか?私達は相手のことを知らなければ知らないほど、悪い意味で捉える傾向があります。

LINEなどSNSでのメッセージの返信がないと不安になりますよね。これは連絡が無いこと=相手が何を考えているのか情報が無いからこそ不安になり、相手から嫌われたなどの悪い予想をしてしまうのです。

初対面の印象でもそうで、自分が情報を開示しないほど相手に不信がられます。人付き合いが苦手な人は自己開示が下手というのもあるかもしれません。言わなくても相手が察してくれるだろうという態度は、かえって相手から誤解されたり印象が悪くなってしまいます。

人は何を考えているのか分からない人には無意識に距離を置きます。相手について知らなければ知らないほど悪い方向に考えてしまいます。

お互いの姿が確認できないリモートワークでは普段よりもこまめに報告と相談をしたほうが良いと言えますし、相手に誤解や悪い印象を与えたくなければ具体的に自分の情報を開示したほうが早く信頼を得られるでしょう。

 
前の記事【書評】「勝てるデザイン」デザインの本質が分かる一冊。
次の記事失敗が怖くて行動できない人に効くエフェクチュエーションという考え方(「許容可能な損失」(Affordable Loss)の原則)