今回はディズニー作品のラフスケッチが堪能できる「Disney Sketchbook ディズニーアニメーションスケッチ画集」ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社(著)・玄光社 (2017/4/3)を紹介します。ディズニーの線画の技術が凝縮された内容で、絵の参考とする画集としてはかなりの満足感がある一冊です。
線画の魅力が凝縮された一冊
私は画集や設定資料集を買うとき、線画やラフスケッチを重視します。というのも、そこには描き手の純粋なアイデアや試行錯誤の痕跡、キャラクターの骨格のようなものが見れるからで、自分で何か絵やイラストを描きたいときに最も参考にしている部分です。色や塗りでごまかされない線だけで描写されたラフスケッチや下書きは眺めているだけでインスピレーションが湧いてきます。
出版が2017年なので比較的最近のものまでまとめられている
古典となる昔の作品から、比較的最近の作品まで収録されています。
近年の作品まで網羅されているため、作品の種類は多いけれどそれ自体に割り当てられるスケッチの分量は少なめです。主にその作品を代表する主要キャラクターが載っています。その点、一つ一つの作品に思い入れがある人はそれぞれのタイトルの設定資料集を求めた方がいいでしょう。
感想・まとめ ニッチな分野だけど、絵が好きな人には宝の山となる画集
昔から完成された絵よりも描き手の試行錯誤がわかるラフ画が好きな私としては、こうした全面モノクロのラフスケッチの画集が出版されただけでもありがたいです。線だけでどのようにしてキャラクターに命を吹き込んでいくのかとても参考になります。
昔のトランプ屋だった任天堂はディズニートランプでヒットを飛ばしたり、ドラゴンボールで有名な漫画家鳥山明さんもディズニーの線画やディフォルメから影響を受けたそうですし、ディズニーから影響を受けた人はかなり多いのではないかと思います。
ちなみに紙の本でしか出版されていませんが、私は自分で電子化しました。ラフスケッチ中心の本は電子化してもクオリティが劣化しないのが特徴です。物体としての紙の本の利点や素晴らしさも理解できますが、電子化の利点として拡大縮小ができる便利さがあります。私の場合は画集やアートブック、設定資料集を買い込みすぎて部屋がパンクしてしまうため電子化したという部分もありますが、手間も時間もかかりますし、こうした本もぜひ公式でkindle版などの電子出版をしてもらいたいものです。