エッセンスで充分 7つの習慣 まとめ 要約 感想 大事なのは自分自身の行動変革

エッセンスで充分 7つの習慣 まとめ 要約 感想 大事なのは自分自身の行動変革
今回は昔から書店でよく見かけていた「7つの習慣」という本のまとめです。本書はかなり分厚く、一見すると難解な理論が書かれているように見えますが、結論から言うとエッセンスで充分です。たくさんの良質な心理学本や情報に接することが出来る今、無理になって読む必要はないと感じました。ただ良いことは書いてあるので今回はそんな本書から学んだ要点をまとめてみました。

環境に期待するのでは無く、自分自身を内側から変えていく

現状を周囲の環境や状況のせいにしてただ無力的に過ごすのでは無く、自分の内側から考え方や物事の捉え方を変えることで周囲の世界を変えていく事が重要です。例えば以下の絵を見てください。

画像出典:Wikipedia

この絵を見て、あなたは何に見えたでしょうか?

老婆?それとも若い女性?

よく見ればそのどちらとも見えることが分かります。

人の認識の仕方によって、現実世界でのものの見方が変わってしまう。そのため、自分自身の内側から変える事で世界(自分のあり方)を変えていこう!というのが本書の軸となっています。

7つの習慣 1:主体性を発揮する

問題は全て自分の中にあります。ありとあらゆる刺激、環境に私たちは囲まれていますが、その結果どういう判断や行動をするのかは自分自身が決めることができます。他人とか親とか世間のせいにするのではなく、主体性を発揮して、物事をどう捉え行動していくのかの主導権は常に自分が持っています

例えば受験や仕事選びに失敗したとして、そのまま腐っていく事も出来ますが、結果は結果として受け入れもっと勉強や努力を継続して将来的に取り戻していこう、とする事が出来ます。他者や環境から影響されるのでは無く、自分が影響を作る人に。全てはその人次第、その人の主体性次第です。

当ブログ記事で言うとマインドセット自己効力感リアプレイザルなんかが参考になると思います。

7つの習慣 2:目的を持って始める

ちゃんと目的を決めてから始める事が重要です。漠然とした日々の雑務で仕事をした気分になっていないか?何か一つの成果ばかり追って、犠牲にしてしまったものは無いのか?今していることは一体何のためにやっているのだろうか?を突き詰めていきます。要は自分の人生の軸というものを持つのが重要で、今自分のしている事の目的を人に言えるようになるレベルまで落とし込むのが良いでしょう。そのためには1の習慣である主体性を持ち、今の自分の行動に自覚的である必要があります。

7つの習慣 3:重要事項を優先する

端的に、自分の目的に沿った重要事項をちゃんと優先して、他の雑務やしなくても良いことに時間を奪われていないか?ということです。不要なことや、やりたくないことについてキチンと「No!」と言える勇気を持ちましょう。

当ブログの記事で言えばカルニューポートさんの「大事なことに集中する」やミハイチクセントミハイさんのフロー体験の記事が参考になると思います。

7つの習慣 4:Win Winを考える

本書の白眉は相互依存の信用残高という概念を提示した事にあると考えています。自分にとっても、相手方にとってもプラスとなるような関係性を持つこと。交渉ごとや勝負事にWinWinに持って行ける解決策やアイデアが重要と言うことです。

本書によればWinWinの関係力は勇気と思いやりを高めることが必要とのこと。ただ、オックスフォード大学心理学教授ケヴィンダットン博士によると、社会ではサイコパス的特性を持つ人が成功しやすい傾向にあるというので、果たして「思いやり」はそこまで成功に重要なのか?と疑問に思うところです(私個人としては思いやりは強く大事にしたい特性ですが)。

7つの習慣 5:理解してから理解される

相手を理解し、共感するコミュニケーションの重要性を説いています。相手との感情同士の交流がWinWinの関係にも繋がるとのこと。まず最初に相手を理解する事があって、自分を知ってもらうこと&理解して貰う事は二の次三の次で良いのです。

こうした観点はアドラー心理学が近いものを持っています。

7つの習慣 6:相乗効果を発揮する

自分と異なった存在や考えを上手に取り入れることが創造性を発揮するには重要です。これもWinWinの関係や相手への理解などで相互影響の信頼関係を高めていくことで達成できると言います。

全ての物は何かしら関連し合っているので、一見関係なく見える物事を自分と関連づけて考える力が大切だ、と私は理解しました。

7つの習慣 7:刃を研ぐ

本書では刀をとぐことに例え、人が持つ肉体、精神、知性、社会・情緒の能力全てをバランス良く磨いていく必要があると言います。

分かりやすく言い換えると、孤独にならない程度にコミュニティ(繋がり)を持ち、ちゃんと運動をして、遊びで鬱屈を解消して、本を読んだり新たなスキルを身につけることが大事、ということでしょう。

総評

読みやすさ ★★
有益度   ★★☆
満足度 35%

15年前に読んでいたらまた違った印象になったであろう本。速読とか速聴とかが流行った時に出会っていたら感化されていただろうなぁ…(当時は本書が分厚すぎて読むことを諦めていた)。その人の人生のどのフェーズで出会うかによってだいぶ評価は変わると思います。

内容の本質は難しくないのに、敢えて難解に、難しく分類分けしているという印象。冗長で、とにかく長い。原著は89年。当時はこういった人生の荒波を分類し、仕分け、問題点を論理的に、体系的に説明した本は少なかったのでしょう。最近になって完訳版(Amazon)も出たけれど本質は変わらないです。

古風で、いかにもな自己啓発の本といった感じです。本書の前書きに仰々しく社会的ステータスがある人の推薦文を載せていて権威漬けをしていることや、参考文献や論文一覧が無く、代わりにあるのが自己啓発セミナーの案内だったりするのが印象が悪いですね。

書いてある内容は悪くは無いので、こんなにベストセラーになった理由もある程度は分かります。ただ、今なら本書で説かれている本質をより分かりやすく、心理統計の検証などエビデンスを持って詳細に語られた本がたくさん出ているので、わざわざ読む必要はないと思います。

私としては自己啓発と良質な心理学書の違いは、エビデンスの有無だと思っていて、いくらどんなに良いことを言ってもそれが万人に当てはまるかは分からないとする科学的な態度の方が好きです。本書は著者の言っている内容が正しい=全ての万人に当てはまる世の中の公式だと受け入れることが前提となります。

スティーブンさん一人の思想として見るのはOK、だけどわざわざセミナーなどに高額出資する必要はありません。本書では「○○は〜だ」とか「△△するべき」などの記述がありますが、自分の価値観は自分で決めましょう自分なりの成功が出来ればそれでいいと思います

■日本語版(完訳)
(私が読んだのは古い方ですが、本質は変わりません。)

■原著

参考・出典

妻と義母(Wikipedia)

 
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