やる気を維持しブーストさせる気づきのテクニック 行動への意味や意義への自覚(アウェアネス)が日々のモチベーションを高める。

やる気を維持しブーストさせる気づきのテクニック 行動への意味や意義への自覚(アウェアネス)が日々のモチベーションを高める。

何かに取り組むとき、最初はやる気があっても次第にやる気が下がってしまう事が多いですよね。結局三日坊主に終わったり、一ヶ月頑張ったけれども継続出来ない経験をした人はかなり多いのではないでしょうか。今回はなぜそういったことが起きてしまうのか?どうすればやる気を維持して、より高められるのか?についての心理学研究を元にしたテクニックを紹介します。

やる気が出る条件とは?自己決定理論

人はどんな時に最もやる気が出るのでしょう?それは自分から自主的に取り組んだ時です。人から言われた仕事はやる気が出ませんよね。これは自己決定理論といって、人は自分で決定した物事に取り組むときに最もパフォーマンスが高まるようになっています。企業の経営者は高いストレスの元で仕事をしていますが、下っ端の裁量権がない労働者と比べて健康で長生きをする傾向にあります。

自分でやると決めた物事が続かない理由とは?今している行動の意味を忘れてしまうから。

ダイエットやスキル修得など自分で決めた行動が続かない理由は、今取り組んでいることの行動の意味、利益だったり当初の目的をだったりを忘れてしまうからです。

最初はやる気があっても、徐々にその活動の意味や動機を忘れて惰性に陥ってしまい、マンネリ化。進歩や成長、効果が実感出来ないと人は行動できません。

この自分が取り組むことの意味や利益、進捗への気づき(アウェアネスAwareness、自覚)が大きく人のモチベーションを左右する事が心理学研究で実証されています。

気づきのテクニック実践

このテクニックを実践するには、まず紙とペンを用意します。パソコンのメモ帳でもOKです。とにかく書き出して可視化して気づくことが重要です。

1.「行動の価値」に気づく。自分のやる気を上げたい行動の意味を書き出す。
自分がなぜそれをやりたいのか?それをする事でどんなメリットがあるのか?どんな良いことがあるのか?を書き出してみます。こうすることで、その行動の価値に気づけるようになります

2.「自分が何にモチベーションを感じているのか」に気づく。日々の生活の中でどの活動がモチベーション向上になったのか、書き出す。
日々の生活の中で最もやる気やパフォーマンス、モチベーションが出たのかを書き出してみます。これはネットサーフィンやゲームとかでもよくて、その活動の共通点やなぜモチベーションが出たのか?を考えてみます。例えば私の場合、ネットサーフィンなら知識欲、ゲームなら成長と達成感が見えてきますが、その見えてきた知識欲、成長、達成感の三つの要素が自分のモチベーションを高める要素に気づくことができます。その自分のモチベーションを高める要素を他の活動に応用してみることが最大のポイントで、例えば運動が億劫なら、運動は外見的魅力、体力のレベルアップ(成長)に繋がる側面があるし、異性から一目置かれる(達成)かもしれないし、健康への理解も深まる(知識欲)ことが考えられます。つまり、ただ漠然と義務感から運動をするのではなく、運動が持つ様々な有益な側面を感じながら取り組むことでやる気も高まるというわけです。

今自分がしている行動への気づきのタイミングを持つ

目標を挫折しやすいの理由で多いのが、漠然と時間を過ごしてしまって、一日の大半を無意味な活動に費やしてしまうことです。これへの対処法として、アラームや自分で時間を決めて、そのときしている行動を振り返ることが効果的です。

例えば、定期的に時間を決めてそのとき今自分がしている行動を客観視してみます。

・今自分は何をしているのか?
・その行動はなぜしているのか?
・その行動から何が得られるのか?

そのときしている行動を客観視する時間を持つことで、もしそのときしている行動が意味の無い行動だったら、「しまった、まただらけてしまった。今後は改めよう」という気づきになるし、意味のある行動なら、自分は意味のある有益な活動をしているんだ、という自覚がモチベーションを高めます。

ただ、これは実際はとても難しいです。日々の無意識的に行動する自分を客観視するメタ的な力が求められるので、初めのうちは日記をつけるところから始めた方がいいかもしれませんね。

進捗を記録する、可視化する

日々の達成や進捗を記録する

アナログにノートで記録していたが、結局Googleスプレットシートで記録することに落ち着いた。年々積み重なっていくデータなので将来的に大きくなっても扱いやすい。

進捗や達成を記録することは非常にモチベーションに影響する重要な要素です。

何かに取り組んでいて結果が出ないときは、やり方が間違っているか、効果が出るまで継続していないから、というのが大きいです。自分ではやった気になっているけど、実際Youtubeやネットサーフィンで自己啓発的な内容見て満足して、実際に体を動かして行動出来ていない時間が思いのほか多いのではないでしょうか。

自分の活動や行動、進捗を記録化して可視化することはとても重要で、テレサ・アマビールさんらの「マネジャーの最も大切な仕事」という本の中でも何度も言及されています。

何かに自分がエネルギーを注ぎ込んだら、どれだけ進んでいるのか。具体的に何を自分は積み重ねているのか?を記録するとかなりモチベーションが高まります。毎日している行動に意味を感じられるし、成長の実感も得られます。進歩している感覚が得られるので、気持ち的にもとても前向きに生活を送れます。

ただ、やっている作業だけ記録していると徐々に事務作業っぽくなるので、これまでの累積の積み重ねを意識して、過去の積み重ねを実感するのが重要です。数値として記録しておけば、自分はこの活動に1000時間も取り組んできたのか!となれば否応にも自負の感情がわき上がってきますよね。自分が成し遂げた活動の記録が資産となって、どんどん行動する気も起こる好循環が生まれます。

まとめ

・人は自分のしている行動の意味や利益を自覚できるとパフォーマンスが上がる。
・人それぞれどんな要素が自分のモチベーションを高めるのか違うので、自分のモチベーションを高める要因を分析して自覚する。
・惰性に陥りそうになってしまうときは、今自分のしている活動を振り返る時間やきっかけを作って内省する。
・自分の努力の積み重ねや目標への進捗を記録して、振り返る。

人は忘れっぽいし、惰性に流されやすいので「鉄は熱いうちに打て」のことわざで言われているように熱意が盛り上がれば勢いで行動出来るけれど、継続は難しいですよね。当初感じていたその取組の目的や目標、意味やメリットを自覚できなくなってしまうのがその原因なので、その行動や取り組みの意味に気づく必要があります。

今回の内容は自分の思考や行動を書き出して内省する能力が必要なのでそうした習慣が無い人には敷居が高いですが、とても効果的なので出来る人は試して見てほしいと思います。

参考・出典

Harkin, B., Webb, T. L., Chang, B. P., Prestwich, A., Conner, M., Kellar, I., Benn, Y., & Sheeran, P. (2016). Does monitoring goal progress promote goal attainment? A meta-analysis of the experimental evidence.
Daily Motivation
Why Self Awareness And The Growth Mindset Can 10x Your Success In Life
・Brown, K. W., & Ryan, R. M. (2004). Fostering healthy self-regulation from within and without: A self-determination theory perspective.
・Ryan, R. M. & Deci, E. L. (2008). Self-determination theory and the role of basic psychological needs in personality and the organization of behavior.

 
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