時間管理のマトリクスとは 優先すべきことの本質を知り、行動に変えるために

時間管理のマトリクスという概念が面白かったのでまとめておきたい。元となるアイデアはスティーブン・R・コビーの「七つの習慣」の「第3の習慣:最優先事項を優先する」で、こちらのアイデアをより具体的行動に落とし込んだもの。以前書評に書いたとおり、原著は極めて冗長で読みにくいため、7つの習慣自体は良いアイデアだが、自分の日常生活の行動に落とし込むまで咀嚼するには敷居が高い。
 

時間管理のマトリクスとは?

時間管理のマトリクスとは、自分の人生における優先順位を明確にするためのツールだ。以下のように、重要事項、重要ではない事項、緊急事項、緊急ではない事項と分けて、グリッド状の表にして自分の考えを書き出していく。

時間管理のマトリクスとは 優先すべきことの本質を知り、行動に変えるために

緊急で重要なものは仕事の締め切りや病気、災害対応など。
緊急で重要ではないものは突然の電話や義務化(惰性と化した)した会議、SNSやメール対応など。
緊急ではないけれど重要なものは健康維持のための運動や睡眠、可能性を広げてくれる人間関係、社交や将来のためのスキル修得のための勉強時間など。
緊急でもなく、重要でもないものはダラダラネットサーフィンやソシャゲなどの娯楽、ギャンブルなど一時的な快楽だけしかもたらさない活動のこと。

人生をより良くしたい、大きく変化させたい人にとって、この中で最も行動すべきは緊急で重要ではないものに入っている。これは私の実体験でもそう思っていて、知り合いに勧められたおかげで思いがけないチャンスや出会い、経験を積むことができたり、新たなスキルを身に付ける事で将来の自分の可能性を広げることにも繋がった。

その行動は本当に「緊急で重要なもの」なのか?という視点を持つ。自分の本音とは違う「緊急で重要なもの」ばかり優先すると自分のやりたい事が見えなくなる。

この時間管理のマトリクスを自分に当てはめて、書き出していくことで現時点での自分の価値観、行動基準が分かるようになっている。で、ここからが大事なんだけど、本来したい事があるのにその時間が無い、毎日仕事に追われていて、本当にやりたいことが出来ていない人は「緊急で重要なもの」のリストを見直す必要がある。

「緊急で重要なもの」と位置づけた行動は本当に自分にとって重要なものなのだろうか?病気や災害は確かに何よりも優先するべきだけれど、毎日がどこか仕事だけですり減ってしまう人は、「緊急で重要なもの」を優先しすぎて、本来自分がやりたいことをないがしろにする傾向にあると思う。

というのも、私の経験から言えるのだが昔私は本気でサウンドクリエイターの夢を追っていたものの、つい仕事やその他雑多な用事(学校の課題など)を優先しすぎて作曲を後回しにしてしまったおかげで、妥協妥協の人生になってしまったと考えているからだ。器用に現実社会に自分をすりあわせる事を優先しすぎて、出来ない理由ばかりを探して本当に自分のやりたい作曲やサウンドクリエイションへの情熱が薄れてしまった

情熱は行動すればするほど増えるが、後回しにして行動しなければしないほどだんだん薄れていく。現実社会に自分を合わせることを優先しすぎて、本来自分のやりたいことを抑圧し続けると、自分がやりたいことも分からなくなってしまう。
 

確かに仕事や締め切りは何よりも重要だが、自分の本音とは違う「緊急で重要」だと思っていることを優先しすぎると、本来豊かな人生を送るために必要な「重要だけど緊急ではないもの」の時間が減り、溜まった疲れやストレスを癒やすためにダラダラと毎日を過ごしてしまう。

これを改善するには、まず自分が一番やりたい、追求したいことを「緊急で重要なもの」の中に加えることだと思う。自分がやりたいことを自分にやらせる許可を出してみる。何事もやってみることで後から情熱ややる気は溢れてくるし、何かこのままの生活でくすぶっているのなら思い切って別のことを優先するのもアリだと思う。

現実には会社や仕事で忙殺されている人も多いので、そうした場合は人に依頼したり、頼まれごとを断る勇気を持ったり、SNSやネットに費やすエネルギーを減らしたり、といった感じで本来大切な自分がやりたいことのために当てる時間を増やす事が必要だと感じる。

時間管理のマトリクスはこうした自分の時間の使い方を見直すのに有益なので、ぜひ活用してみて欲しい。

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