書評「ロゴをデザインするということ。成功と失敗から伝える、君へのアドバイス-ロゴデザイン・ラブ! [改訂第2版] 」ロゴデザインの仕事についてこの1冊ですべて分かる

今回は私が以前ロゴの仕事をするときにも活用した「ロゴデザインラブ!」改定第2版を紹介します。当時、まだロゴの仕事を経験していなかった私はこの本によってずいぶん助けられました。

書誌情報

「ロゴをデザインするということ。成功と失敗から伝える、君へのアドバイス-ロゴデザイン・ラブ! [改訂第2版]」 / デイビッド・エイリー (著), 郷司陽子 (翻訳)/ ビー・エヌ・エヌ新社; 改訂第2版 (2016/11/17)

ロゴデザインの本はこの1冊でもOK

日本でも多くのロゴデザインの本は出版されていますが、その多くが単なるロゴの作品を集めたものだったり、illustratorやphotoshopといったグラフィックソフトの使い方に終始したものであり、ロゴに関しての簡単な解説にとどまるものばかりです。確かに、それらの本は作品集としてデザインアイデアの刺激を得られる点では意義があるのですが、包括的にロゴデザインをそのデザイン思考や仕事として行うことの意義も含めて深く知りたい読者としては物足りないものでした。

本書はロゴデザインをどう作るのかのプロセスの話から、仕事としてロゴデザインをすることについての意義、そしてデザイナーのモチベーションや心構えまで触れて、いわばロゴデザインに正面から徹底的に向き合った本です。著者のDavid Airey氏はブランドアイデンティティ専門の独立デザイナーとして多くの経験を本書に詰め込んでいます。本書一冊でロゴデザインについての包括的な理解が得られます。

総評

お勧め度(10段階):☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
企業のブランドアイデンティティとしてのロゴデザインの仕事を包括的に、ロジカルに順を追って説明した本は日本では貴重です。料金交渉やデザイナーの心構え、モチベーションについても言及されています。ロゴデザインに興味があったり、ロゴデザインを仕事にしたいけどどうすれば良いか?という人にとってはこの本を一冊用意すれば十分。本書を何度も熟読し、あとは現実の世界でよく見るロゴの作品を研究し、たくさん作品を作っていけば実力は向上していきます。筆者のサイト(英語)には実際のデザインの仕事のプロセスを読者が追体験出来るようなブログが用意されており、こちらもデザイナー必見のサイトと言えるでしょう。

◆参考

著者DavidAirey公式サイト(英語) https://www.davidairey.com/

 
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