先日行われた「黒川塾 六十九(69) 「ゲーム三冠王! 岡本吉起と森下一喜の『ここだけの話やで…』 SNS投稿禁止Night」ゲスト: 岡本吉起 (オカキチ代表取締役)+森下一喜 (ガンホー・オンライン・エンターテイメント代表取締役)+黒川文雄」を聴講してきました。ここだけの話ということもあって、いくら個人ブログといえども書けない話ばかりでした。とはいえパズドラとモンストという日本のソーシャルゲーム、ひいてはゲーム業界を変えた作品に関わった二人の話、書ける範囲で感じ取ったことをまとめます。
目次(Contents)
ゲスト
・森下一喜 (ガンホー・オンライン・エンターテイメント代表取締役)
・岡本吉起 (オカキチ代表取締役)
昔のゲーム業界の話 ヤクザな業界から徐々に綺麗にまとまってきた
大昔のアーケード時代のゲーム業界の話を聴くことができました。パクリ、パクられは当たり前の私の想像以上にヤクザな業界だな、という印象でした。ファミコンが出て、コンシューマーが発売されるようになって、問屋を介すようになると徐々にまともな業界になっていきました。昔の採用も非常に緩やかだった時代もあったそう。例えば求人に関しては、大昔のナムコは大学8年生(留年生)や前科者来たれ、といった求人もあったそうで。かつてのゲーム業界は相当フリーダムな時代だったことを感じ取ることができました(なるほど、親からすれば子供には行って貰いたくない業界だった訳です)。徐々に時代が進むにつれてゲーム業界というものが誕生していった経緯をリアルタイムでその時代を経験した二人から直に聞けたのは貴重でした。
なお、今の採用基準もガンホーの森下さんは履歴書や経歴は重視せず、むしろ新卒で一括で採用するのが気持ち悪いので実際には通年採用だとか。実際に応募者と会って話すことで熱意を重視しているそう。オカキチの岡本さんは面接で地頭が良いかどうかをチェックして確認しているとのこと。
業界内の、かなり際どい、はっきり言えばゲスな話や裏事情も聞けたので、ゲーム業界に夢を持っている人は現実が知れて「まぁこんなものか」と思うかもしれないですね(もちろんまともな会社や人もいる)。
お金の話はかなり生々しい。
二人とも大金持ちであるので、ここだけの話らしく非常に生々しいお金の話が聞けました。特に国税局や税務署とのやりとりは…。稼げば稼ぐほど目をつけられて税金として大量に持っていかれる現状について知ることができました。あの手この手で…まるでドラマのイメージそのものが本当に現実にあるとは。いつか大きく稼いだ時の参考…になりそうです。
ゲーム作りのこだわりとヒント
今回の黒川塾はゲームづくりやクリエイティブの話はほとんどなく(笑)、大半の時間がお二人のぶっちゃけ話で書けない内容でした。一応後半に大ヒットアプリを生み出した二人のゲーム作りの哲学を聴くことができました。
岡本さん (モンスト,スト2,バイオハザードetc…)
・逆算式、どういう社会現象を起こしたいのかをまず考える。
・ゴール(起こしたい社会現象)へのルートを登っていく中で、例えばシミュレーションゲームとして作っていたものがアクションゲームになることがあったり、どうしてもゴールに向かわない道に入ってしまう時がある。そういう時は遠回りになってもゴールだけは譲らない。
・開発はちゃんとゴールとなる社会現象に繋がっていかないといけない。ゴールに絶対にたどり着かない道を選びそうになったら断固として断る。
森下さん(パズドラ、ラグナロクオンライン)
・このゲームがどういう遊びの最終形態を持つかを決める。基本のコンセプトデザインを決める。
・テーマ性は時代時代によって移り変わる。
・パズドラを作った時は、当時蔓延していたソーシャルゲームを駆逐してやるぞ、との思いで作った。
・世の中の流れのアンチテーゼ、流れに逆らう作品を作りたい。
・流行っているから、では行きたくない。どうムーブメントを作るか。
・昔はプログラマーやデザイナーが企画を書いていたが(業界全体として)、今はプランナーという企画専門の人が出た。プランナーは常に宙ぶらりん状態に置かれる非常に難しい仕事。企画がブレないために、企画に2人入れている。一人だと迷走してしまって完成形にたどり着かない時がある。
・迷走しないよう少人数でかっちりとコンセプトがブレないまで凝固してから、プロダクトに落としていく。
感想
かなり泥臭く生々しいゲーム業界の裏話が聞けました。ゲーム業界に夢を持っている人なら現実を知ってがっかりするかも。ただ、お二人とも大成功してお金も稼いでいる分、人生にも余裕がある雰囲気でしたね。以前お金と不安の心理学についての記事を書きましたが、お金の余裕があるからこそいろんな分野に挑戦していけるんだと思います。私も何か大きなムーブメント、価値を世の中に示せるように実力を磨いていきたいものです。
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