ハーバード大学のショーン・エイカーさんのポジティブ心理学についてのTED講演と彼が提唱したメンタルマップについて要点をまとめました。
「成功するから幸せになるのではなく、幸せだから成功する」
普段私たちは幸せになるために成功を目指そうとしています。しかし、この幸福と成功の順序は逆に働くとエイカーさんは主張します。幸せな脳の状態だからこそ、仕事も人生も上手くいき、私たちはポジティブな脳の状態を保つことで能力を充分に発揮できるといいます。
目次(Contents)
「幸福と成功の意外な関係」TED動画
動画の要点
・ポジティブ心理学では平均以上に優れた成績を収める人たちのことに注目している。
・脳の状態がポジティブにあることが成功への道を開く。
・現実が私たちを形作るのではなく、脳が世界を見るレンズによって私たちの現実は形作られている。
・外からみただけではその人が幸福か、不幸かは分からない。
・ストレスを挑戦と置き換えるかどうかで脳の反応や成功するかどうかがだいぶ変わってくる。
・ポジティブな脳は前向きなパワーと活力を生む。
ポジティブになるための実践
・ポジティブなことを毎日日記に3つ書く
・運動をする。
・瞑想をして前頭葉を鍛える。
心理学科の学生の時にこうした分野は相当調べたので、まぁよくあるポジティブ心理学といった印象です。人によっては自己啓発っぽく感じるかも知れません。私としてはアドラー心理学やケリー・マクゴニカルさんのストレスを力に変える=ストレスの捉え方を変えることでストレス反応を力にするほうが実用的でグサッと刺さる感覚があります。私はネガティブな感情も役に立つ時があると思っているので、無理矢理ポジティブになる必要は無いと思っています。この動画のハイライトはこれまで広く信じられてきた「努力して一生懸命頑張った結果、成功するから幸せになる」のではなく「幸せになることで努力ができ、成功する」という順序の逆転にあるでしょう。
メンタルマップ
上の動画では触れていませんが、ショーンエイカーさんはメンタルマップをつけることを提案しています。メンタルマップとは、自分の人生の目標や行動を地図にして視覚化することです。
私たちは何かしら理由があって毎日を行動しています。なにかしら自分の行動にメリット(理由付け)があるから行動しているのです。しかし、私たちは日常を送っているうちに、なぜ今その行動をしているのかを見失ってしまうことがあります。その結果、行動の迷いが出たり、今していることの意義が見いだせなくなります。やろうと思ったことが出来なくなったり挫折してしまいます。
何か行動を起こすときは、メンタルマップに立ち返ると当初の目的や行動の意味を思い出せます。行動のやる気は脳の迷いから来ているため、迷いが出たら人生のメンタルマップを見返すことで脳に行動の意義を思い出させてやる気を取り戻す事が出来ます。
メンタルマップを作る際には、自分にとって、どういう場面・状況で躓きやすいかを知ることが大事です。あらかじめ自分の躓きやすいポイントを予測しておくといいでしょう。私の場合は夜ネットでネガティブなキーワードを見てしまった時や、ストレスが溜まったときにドカ食いをしやすいという傾向があるのでそうした状況に陥ったら別の事をするなどして対策しています。
自分の頭の中で考えたことや思ったことは視覚化すると整理が出来るので、機会があれば皆さんも作ってみることをお勧めします。(私の場合はこのブログでアウトプットすることも思考の整理に役立っています。)
難しかったり、膨大だったり、集中力が必要な文献と向き合うのは大変です。なぜこの本を読よみはじめたのか、読書のメンタルマップを付けると積ん読防止に役立ちます。この本から得られる意義はなにか?なぜこの本を読むのか?のメモをしおり代わりにすると読書が継続できるようになります。読書の理由付けを思いつくのが自分で難しければ、他の人が描いたブックレビューを参考にするのもいいでしょう。
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