偶然性プランニングとは 妨害に備えて集中力と生産性を高める方法

偶然性プランニング(contingent planning)とは 活用例など

偶然性プランニング(contingent planning)とは、あらかじめ仕事の邪魔が入る予測をしておくことで仕事の生産性と集中力を高める方法です。

toDoリスト・やることリストは簡単に妨害される

私たちが何か計画を立てるとき、todoリストやることリストを決めますが、果たしてどれだけ上手く完遂できるでしょうか?多くの人は事前に決めた行動計画の100パーセントに届かない場合が多く、特に完璧主義ほどtodoリストの不達成が多くなり自己嫌悪になることもしばしば。

なぜtodoリストやることリストが挫折するのかというと、私たちが未来予測について甘い予想をしがちなことが一つにあり、二つに私たちはちょっとの妨害でもすぐに注意がそれタスクが中断するからです。そして、todoリストややることリストはこの作業の中断に非常に弱いのです。

集中状態は妨害に弱く、マルチタスクで脳が疲れる

なぜ妨害に弱いのか。人の脳はマルチタスクに非常に弱く、複数の事を同時に集中できるようには出来ていません。メールの着信やゲーム、ながらスマホや目的の無いネットサーフィンは脳の注意をあっちに行ったりこっちに行ったりさせるため、脳を著しく疲れさせます。

人にはツァイガルニック効果があります。これは完遂していないタスクが気になってしまう人の傾向を示唆しており、一つのタスクから次のタスクに集中が切り替わるには一定の時間を必要とします。脳は以前の集中した状態を引きずる集中残余と呼ばれる状態になり、すぐに別のタスクには切り替えられないのです。脳が疲れた結果として、本来発揮したい生産性の30%しか今日は発揮できなかった…ということが起きたりします。

偶然性プランニングは妨害や中断に備える計画

そこで出番となるのが偶然性プランニングです。偶然性プランニングとはあらかじめ起こる妨害を予測しておき、事前の心構えや対策を準備することです。例えばtodoリストにこういう妨害が起こるだろうと追加で記入しておきます。

■偶然性プランニングの例
・スマホの着信が入るかもしれない
・昼には強烈な眠気が来るかも
・朝には上司が話しかけてくるだろう、別の誰かが話しかけてくるかもしれない
・この時間帯は急な会議に呼ばれるかもしれない
・この部屋で作業するとテレビやラジオの音がうるさいだろう
・帰りの電車の中ではいつもスマホでダラダラゲームをしてしまうな
・お風呂上がりに無駄にネットサーフィンをするかもしれない

事前に行動の妨害となる要素をリスト化し、どれくらいの頻度で妨害されそうか、こうした中断を避ける為にはどういう心構えをしておけば良いのかをあらかじめプランニングしておきます。例えばスマホを長時間見てしまうのであれば通知を切ったり、見えない引き出しにしまっておく等します。人から話しかけられたくないのであれば、別の場所に移動するなど対策できます。妨害への実際の対策ができない場合でもこういう妨害が起こると分かっているだけで行動達成のモチベーションは大きく向上します

偶然性プランニングが出来ると、予想外の妨害によるイライラが低減され、本来するべき行動に集中できるようになります。あらかじめ妨害への事前準備(心構え)が出来るために、ツァイガルニック効果による集中残余状態(注意の逸れ)を減らして本来するべきタスクに注意が向くようになります。

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