ツァイガルニック効果 人は不完全なものに引き寄せられる。

今回はツァイガルニック効果についてのまとめです。やりかけの仕事が気になってしまうのは人間の性質。この記事を読めばいつ自分がツァイガルニック効果にハマっているのか理解できるようになります。

ツァイガルニック効果とは

ツァイガルニック効果とは、心理学者のブルーマ・ツァイガルニックが提唱した人間が持つ「不完全になってしまった物事や、完了していない事態、中断してしまっている作業に抱く強い記憶や印象」のことです。アニメやドラマなどで、全てを見終わった作品よりも最終回を見逃した作品のほうが強く印象に残っている人も多いのではないでしょうか。これは完結を見ていないことで、私たちの心の中で未完成なもの=完了させたいこととして強くインプットされるからです。人間は完成した記憶よりも未完成の記憶が強く印象に残るように出来ています。

人がマルチタスクに向いていないのはツァイガルニック効果があるから

人がマルチタスクに向いていないのは、このツァイガルニック効果があるからだ、とも言われています。タスクAをしている途中でタスクBの作業に移っても脳の中では瞬時に切り替えは出来ず、タスクBに集中するまでにタスクAの処理がまだ脳の中で残っているのです。

生理学的にも人の脳はモノタスクをするように出来ていて、平行して同時処理することは得意ではないことが言われています。マルチタスクをしている時は瞬時に脳の中でタスクを切り替えることで平行処理を行っています。これでは脳に相当負担を与えてしまうのですね。

時間を計測すると分かるのですが、平行して何かをやろうとすると作業効率は一気に落ちます。勉強しながらスマフォゲームをしたり、仕事をしながらネットサーフィンをしたりすると、ツァイガルニック効果によりお互いの仕事が干渉し合い、どっと疲れがでて集中力も途切れやすくなります

マーケティングでは

テレビでは「続きはCMの後で」といったように、あえて番組を中断したり、結末を番組後半に持っていきスポンサーのCMを挟みます。それもこの番組の顛末が知りたくなってしまう人の心理効果を活用しているのです。次回予告や映画やドラマのトレーラーも同じで、あえて未完成な情報を出すことで視聴者からの興味を得ようとしています。大手メディアサイトでは一つのテーマの記事を分割したり、漫画では一番いいときに次回に続くような構成が練られています。コンテンツ制作において、続きが知りたいという人間の本能に訴えかけることは常に意識されています。

生き方についても

後悔しない人生を歩むためには行動してみる、チャレンジしてみることが重要だと言われていますが、ツァイガルニック効果によれば中途半端に夢を追いかけるよりも、一度思い切ってやりきってしまった方が後悔せずに次のステップに進めることが示唆されます。中途半端にしてしまうとツァイガルニック効果により未練や執着だけが残り、将来に渡ってずっとそのことに気に病んでしまうのです。

夢を諦めきれない場合、自分の中で完了・終わりと納得するまで取り組んでいないからです。達成したかったこと、やりたかったことは人目を気にせずに思う存分自分の追求したいところまで追求した方がよりよい人生を送るために重要なのですね。

まとめ

以上、ツァイガルニック効果についてまとめましたがいかがでしょうか。ツァイガルニック効果を利用した仕掛けは日常でもよく見られます。やりかけの仕事があると人は十分なパフォーマンスを発揮できないので、一つ一つ完了させて、自分の中で終わりの合図を示すことが生産性向上のために大事なポイントになります。ゲーミフィケーションや達成感の話にもつながりそうです。

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◆参考

ツァイガルニク効果(Wikipedia)

 
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