お金と時間、どちらを大切にした方が良いのでしょうか?メキシコの漁師の寓話(*参考1,2)から見られる通り、忙しく労働してお金を稼ぐことに生きがいを感じる人もいれば、自分の時間を大切にしてのびのびと暮らす人がいます。結論として、自分の時間を大切にしたほうが幸福になれるという研究結果が出ています。
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自分の時間を大切にした方が幸福になれる カリフォルニア大学の研究
私たちは自分の時間を大切にした方が幸福になれることを示唆する研究があります(*1)。カリフォルニア大学の研究では4415人の男女を対象にお金と幸福に関するアンケート調査が行われました。「お金と時間どちらを重視するか」、「現在の幸福度と人生の満足度」、「今の年収と労働時間」などを調査し、お金と時間と幸福度の関係性を調べました。
結果は、64%の人が時間よりもお金が大事だと答えましたが、実際はお金よりも時間を大切にすると考えたグループの人達の方が幸福だったとのこと。また、どれほどお金を持っていたとしても、自分の時間を大切にした人達の方が幸福度は高かった結果が出ました。これは、自分の時間を大切にし、有効に使えている人は自分の時間を犠牲にしているお金持ちよりも幸福であることを示唆します。
お金をたくさん持っても不自由なら意味が無い
いくら社会的地位を築いて高収入を得たとしても、自分の時間を持てなかったり、自分の思い通りに状況を動かせないのであれば幸福とは言えないでしょう。人の幸福という観点から言うと、お金よりも自分の時間を大切にする、自分の意志通りに動ける時間がどれだけ持てるかが重要だといえます。もちろん、仕事自体が好きで好きで仕方が無く、仕事をしている時間が幸福で仕方が無い場合もありますが、その場合も結局は自分の好きな時間として仕事を主体的に選んでいる感覚はあると思います。
お金も時間も無い人の場合は?
お金も時間も無い場合でも、自分の時間を大切に生きた方が幸福になれるとのこと。貧しくとも、今ある時間を大切にし、今を生きた方が人は幸福になれます。
不安な人ほどお金に囚われ、労働に縛られていきます。お金を稼がなくてはいけない、との思いから未来に繋がらない目先の仕事に甘んじてしまったり、好きでもない稼げる仕事を選んで何のために働いているのか見失ったり、焦ってピリピリして余裕がなくなります。
余裕が無くなるとお金の使い方も雑になって、ギャンブルで散財してしまったり、自分の未来に繋がるような建設的なお金の使い方が出来なくなります。一方で時間を大切にすると心に余裕が出来、思考が前向きになります。
時間に価値を置くか、お金に価値を置くのかについては、上限の有無という特性から考えていく必要があります。
上限の有無で時間とお金を考える。
お金と時間の違いは上限の有無です。
お金は上限がありません。お金はいくら稼いでも上を見れば足りないし、満足する明確なポイントがありません(しかも稼げば稼ぐほど税金で引かれる感覚もあります)。
一方で時間は上限があります。どんな人でも一日は24時間しか無く、どんなお金持ちでも人はいつか死にます。今ある境遇はどうであれ、時間は平等なのです。
そこで、限られた時間というリソースをどう使うのかが幸福にとって重要となります。どうやったらもっと楽しく、自分らしく生きられるか。自分に残されている時間をどう使えば満足を感じられるか。
あくまでもお金は何かを手に入れる為の手段です。そのお金をどう自分の幸福のために使うのかが重要ですが、資本主義の競争社会でラットレースのただ中にいると見失ってしまいがちです。
まとめ
・幸福の観点では自分の時間を犠牲にしてまでお金を稼ぐ必要は無い。
・不安が強い人ほどお金に執着し、お金の使い方も雑になる。
・自分の時間を有効に使えて、成長し満足できているかが幸福になるためのポイント。
私たちは自分の時間を有効に使えて成長を感じることで満足感を得られます。何のために働いているのか?お金のためか?自分の幸福のためか?残された時間を有効に使えているのか考えるきっかけとなる研究です。