バイアスとその対処法9 拡大化

バイアスとその対処法9 拡大化バイアス

バイアスとは偏った見方のことで、自分の視野を狭める思い込みのこと。今回はバイアスの一つ拡大化についての考察と対処法をまとめます。

拡大化とは

拡大化は、「一つの箇所で起きた問題が別の箇所でも起きてしまう」と捉えてしまうバイアスです。全く関連性がない分野なのにも関わらず、一つの分野で失敗すると何もかも失敗してしまうと考えてしまうのでなかなか恐ろしいバイアスです。

・仕事でミスをした人が、友達関係でも「自分は上手くいかないし、失敗しているから嫌われているに違いない」と思い込む。
・大学受験で失敗した人が、他の分野でも「自分は人よりも劣っている」と思い込む。
・歌がうまくないから音楽の全ての分野で上手くいかないと思い込む(実際は作曲家の才能や楽器演奏が得意かも知れない)。
・絵が下手なのでデザイナーにはなれないと思い込む(実際はなれる)。

何かの失敗で自信を失う事はよくありますが、本来は相関性がない出来事なのに失敗の悪影響を感じ、それを信じ込んでしまうのは問題です。一つの失敗で、「自分の人生は失敗ばかり。もう終わりだ!」と自暴自棄になったりする時にはこの拡大化バイアスにハマっている可能性があります。

対策法の考察と実践:居場所を増やし、見方を広くする。

対策法は視野を広げてみる行動をすることです。

・別の分野で上手く行っているものは無いか考えてみる。
・恋人と別れた直後なら、友人や信頼できる人に気持ちを吐露することで自分を支えてくれる人の存在を感じる。
・仕事で失敗したとしても、所有する株価は上がっているかもしれない。
・ゲームやカラオケ、イラストなど趣味の分野で達成経験を得てみる。

見方を広げてみると、自分を取り巻く状況のありとあらゆる分野で全てが同時に悪くなることはそうそう起こりえず、何かが調子が悪いときは何かの別の分野がうまくいくという事があります。株価も分散投資が有効と言われているのは、全ての銘柄が暴落するのはそうそう起こらないからです。病気で休まなければならないのであれば、仕事の面では落ちていると言えますが、家族との関係や休息という観点では良い方向に動いているのではないでしょうか?

居場所を複数作っておくことも良い対策になります。副業や習い事など職場以外の居場所を作ることで一つの所属場所に依存しないメンタルのバランスを取ることも良い方法です。

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