バイアスとその対処法3 白黒思考

バイアスとその対処法3 白黒思考

バイアスとは偏った見方のことで、自分の視野を狭める思い込みのこと。今回はバイアスの一つ白黒思考についての考察と対処法をまとめます。

白黒思考とは価値判断をハッキリさせたい思考傾向のこと

白黒思考は「良いか悪いか価値判断をしないと気が済まない」思考傾向のことです。以前取り上げた公正世界仮説という概念の中で、人は無意識に行動と善悪を結び付けて判断しがちであることを説明しましたが、そうした物事を多面的に考えず、認知に対する労力を減らす傾向が白黒思考を生みます。要するに物事を善悪の一面だけ見て判断してしまう傾向です。

・理数系が苦手な人が言う「数学なんて何の役に立つんだ」
・無職で引きこもりやゲームを遊んでいる人は犯罪者予備軍
・あの人の事が大嫌いだから、あの人が好きなものは良くないものに違いない(坊主憎けりゃ袈裟まで憎い)

何事も善か悪かを決めないといけないという思い込みが強く、物事の良い面、悪い面を見ようとしません。一方的な価値判断は視野を狭めてしまいます

対処法の実践と考察 あらゆる物事には多面性がある

こうした白黒思考は度が過ぎると周囲の人との関係が悪くなります。世の中には色んな価値観があるもの。それだけ世界の見方も多様なのですね。

・無職でも状況によって物事の意味合いは変わってくる。単に休暇だったり、心の休息が必要な時かも知れない。
・ゲームはやりすぎは毒だけど、嗜む程度に接すれば日常に喜びと達成感を与えてくれる。(参考→幸せな未来は「ゲーム」が創る ジェイン・マクゴニガル(著))
・リストラや解雇は怖いけれど、例えされたとしても人生にとって新たなチャンスが舞い込んでくるかも知れない。

ありとあらゆる物事には良い面と悪い面があります。大人になるにつれて分かりやすい勧善懲悪的な子供向けの番組が退屈に見えてしまうのは、現実社会があらゆる点で複雑で絡み合っていて一つの見方で判断出来る要素がないと分かってくるからです。人生万事塞翁が馬と言うように、「あれはこれ、これはあれ」と決めつけて掛からず柔軟な思考を持つ事で視野が開けて可能性を高める事が出来ます。

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