普段インターネットや情報に接していると、特にネットニュースのコメント欄などで攻撃的なやりとりが目につきますよね。スタンフォード大学とコーネル大学の共同研究(Anyone Can Become a Troll:Causes of Trolling Behavior in Online Discussions)ではこうしたネット上で攻撃的になる人はどういう状況でそうなるのか、普通の人達がこうした攻撃的なやりとりに参加してしまうのはどういう時かを調べ、さらに時間帯や曜日によってそれらは変わるのかを調べました。
(*Trollとはネット上で荒らしをしたり、煽ったりするような投稿をする人)
疲れている時ほどネガティブな情報に引っかかりやすい。
結果は、人は疲れている時ほどネガティブな情報に引っかかりやすく、自分でもそうした攻撃的なやりとりに参加してしまう傾向があることが示されました。そして、攻撃的な投稿をする人ほどネガティブな情報に多く接している事が分かりました。
私たちは気分(mood)によって行動を左右されます。ネガティブな気分の時には、ポジティブな気分の時には反応しない自分とは全く関係の無いネットニュースの怒りのコメントについ反応して、自分でもどこか義憤のようなものを感じてしまいます。ブログの炎上記事なども同じで、ネガティブな感情を書いた記事ほどそれにつられてネガティブなコメントも多くなるのでしょう。
心理学では気分一致効果と言って、人は自分の気分と似た情報が目につきやすくなる傾向があるのですが、ネット上の敵意あるコメントについても同様で、自分の調子が悪いときほど過敏に反応しやすくなることがこれで分かりました。
時間帯や曜日によっても人の気分は変わる。ということは…。
さらに、こうした攻撃的なやりとりはどの時間帯・曜日が最も多いのかについての調査も行われ、夜間や平日ほどネガティブな傾向があることが示されました。逆に週末や日中はそうした傾向は低く、ポジティブな気分が強くなりました。
まぁ考えてみれば当たり前の事ですが、休日前は誰しもが気分が良くなりますし、頭が覚醒している日中はネガティブな刺激にも対処しやすくなりますね。
人はネガティブな情報に接したり、夜とか平日など疲れている時ほどネガティブな事に引っ張られやすいので、気分が落ち込んでいる時は普段よりも慎重にどんな情報に接しているのかを見直した方がいいかもしれません。
人間は時間帯や曜日によって気分が変わる。ということは、何か人にお願い事をする時の時間帯もポジティブな気分になりやすい週末や日中の方が良い返事が貰えることに繋がりますね。