燃え尽き症候群(Burnout)とは、猛烈に働いていた人がある時を境にふと自分の仕事の意義を見失い、激しい無力感や徒労感、無気力に苛まれる症状です。完璧主義で自己批判が強い人に多く、真面目な働き者が陥りやすいのが特徴です。
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知識労働者ほど燃え尽きやすい。形が見えないから終わりがわからない。
こうした燃え尽き症候群に陥る人というのは、不安が強い知識労働者ほど陥りやすく、さらに完璧主義で理想を追い求める人ほど危険です。
多くの場合、根元に不安があり、形が見えない仕事をする人ほど終わりが見えず、進捗がわからないために延々と働き続け、自分を追い詰めていきます。
仕事をした、やりきったという実感がないから、仕事をしていないと落ち着かなくなり、強迫的に自分を追い詰めてオーバーワークに一直線に進んでいきます。
彼らは短期的には人よりも倍以上働き素晴らしい成果を出しますが、長期的には体を壊し、うつの症状に悩まされたり退職や休養を余儀なくされます。
対策1:仕事の進捗を見える化する。
燃え尽き症候群の対策としては、仕事の進捗や成果を見える化し、自分のなかで区切りをつけることが重要です。
ノートでも日記でもいいので毎日の仕事の成果を記録しましょう。
働きすぎはかえって効率が落ちるのですが、不安症な人ほど不安に駆られて仕事をし続けてしまい、十分な休養が取れないことがあります。仕事を不安を紛らわす手段としているのですが、長期的には逆効果。心を鬼にして遊びも仕事のうちだ、と思って自分の好きな息抜き、リラックスの時間を設けることを強くお勧めします。
仕事をしたという実感を意識して生活の中で感じられるようにしましょう。
対策2:不確実性をなくす。
自分が取り組むタスクに対して、どこまでやったらOKというのをもっと具体的に掘り下げていきます。
納期や締め切りを基準にして時間で区切ってもいいですし、自分で数値化したり、輪郭として形に起こせるように曖昧模糊となっている「いま自分がするべきだと思い込んでいる」ことを言葉にしてみましょう。
やらなくていい仕事をやらなければならないと思い込んでいる場合もあります。
対策3:不安対策。他人と自分を比較しない。完璧主義を捨て、自己受容へ。
完璧主義で理想が高い人ほど、今の自分に満足できず、より高みを目指して働きつづけてしまいます。
あまりにも厳しい基準を自分に設けたり、自己批判をすることになってますます余裕がなくなり、他者への共感能力も下がって自分の悩みを自分で抱え込んでしまいます。
よくあるのが自分と同年代の成功した他者に追いつきたいあまり、コンプレックスや劣等感をバネに必死に自分を追い詰めてしまうこと。うまく扱えれば強いのですが、ある時を境にフッとエネルギーが切れてしまう危険性が大です。
他人と比較せず、現状の自分のスキルを受け入れ、年齢や状況など気にせずにこれから積み重ねていけばいい、と考えましょう。人と比べるのではなく、自分に与えられた人生や境遇の中で最高のパフォーマンスができればよしとして満足できるようにするのがポイントです。
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