ジャンプ流 vol.20 うすた京介要約&まとめ

2018年10月1日2018年10月2日

ジャンプ漫画家の創作の秘訣を探るジャンプ流。今回は「すごいよ!!マサルさん」で有名な漫画家、うすた京介さんの創作の秘訣を探ります。うすたさんが漫画家になった経緯や、創作活動・クリエイティブ活動のヒントとなる知識をまとめました。

書誌情報　
「ジャンプ流 vol.20 まるごとうすた京介」　集英社　2016/10/20

目次(Contents)

デビュー秘話

・物心ついたときには既にマンガ家になることを決めていた。すぐ上の兄がマンガを読むのも描くのも好きだったのでその影響があった。
・「北斗の拳」などに憧れたものの、ストーリーが作れずいつも最後は爆発して終わるような漫画しか作れなかった。
・中学からマンガ投稿を始めた。
・高校では美術コースを選択。絵を描くのは好きだったので、美術系の大学に行きたいと思っていた。初めの1年間は真面目にデッサンや油絵をやって、現在の基礎を作った。
・「GAGキング」で受賞したのは大きな出来事だった。この受賞をきっかけにマンガ家で生計を立てることに決めた。
・勝手に上京をして、「ダイの大冒険」の稲田浩二先生のところへアシスタントへ。でも1ヶ月半ほどでプロの仕事について行けず辞めてしまった。
・20歳頃、家にこもってマンガばかり描いていた時期がどん底でお金がなかった時期。
・「すごいよマサルさん」で連載が決まったが、精神的に不安で仕方が無かった。結局1年半くらいは続けられたものの、最後は自分から相談して終わりにした。ギャグ作家は精神的に壊れちゃうという先入観があり、自分から失踪とかする前に一度休んで長くマンガを描き続けられるようにした。
・マンガ家になると本人の意志とは関係なく、凄い出来事、味わえない経験がやってくる。マンガ家になりたい人は絶対に目指した方がいい。
・クラスの人気者であるよりは、クラスの隅っこで、地に足を付けて周囲をよく見て、口を使わずに頭でアレコレ考えているタイプの人がマンガ家に向いている。クラスで友達の輪に入れない人ほど今すぐにギャグ作家を目指してみたほうがいい。

技術面

・ギャグマンガでも画力が高ければ有利である事は間違いない。
・美術的なセンスを活かせるカラー原稿の時間が楽しい。
・「リアルな下手絵」を描くコツは、下手に描くことを意識するのでは無く、下手な頃の自分に戻って上手く描こうとすること。
・動いてくれないキャラはそのキャラに適したシチュエーションや空間を用意することで動き出すこともある。
・デジタルはネームがそのまま下絵になるので楽。修正が容易な分、絵の上達は鈍くなるかも知れない。
・ギャグはネーム制作中のキャラクターの会話からアドリブで生み出す。
・キャラが動く。こういうこと言いたいとか、こういうところに行きたいとか、そういうキャラはいいキャラ。
・ギャグ作家なので作品内で作家自身の苦労や高度な技術は見えてしまってはいけない。
・暇つぶしの道具として作品を読み、深く考えずに笑っておしまい、そんなマンガを描きたい。
・ギャグ作家はひねくれものが向いている。
・作品に一番大事なのは気持ちで、技術では無い。
・ジャンプの場合、読者の数が多いので間口を広くとるようにしている。広すぎてもいけないからバランスを取るのが難しい。
・キャラクターの個性を決めすぎず、キャラ自身が個性を決めていく感じにしている。設定で決めすぎないようにしている。
・勢いやハプニング性を大事にしている。

DVDより

・太っている人は顎のラインとかを観る。
・表情は大事。
・デジタルに下絵を描く。デジタルでは濃淡を変えられるのが利点。
・デジタルは後でどうにでもなる。下絵も雑でOK。
・デジタルではキッチリなりすぎないように、あえてアナログ感を出していく。
・細目で色を塗っていく。
・デジタルは素材を作ってしまえばあとは楽。
・デジタルは全体の色を決めるときにも楽できる。
・タッチが細かすぎた場合、大きい筆で潰したりする。
・虚無感、世の中にあるむなしさを表現したい。
・ジャンプでの連載は、日本中からマンガに対する情熱の熱い奴らが集まっている。得るもの大きいが、地獄も凄い。天国と地獄が混ざり合ったところ。つらいこともたくさんあるけど得るものも多い。普通に生きてたら経験できないことを経験できる。