バイアスとは自分にとってマイナスな影響を与える思い込みのこと。今回はバイアスの一つ全か無か思考(オールオアナッシング)についての考察と対処法をまとめます。
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全か無か思考 オールオアナッシング思考とは
全か無か思考(all or nothing, オールオアナッシング思考)は、「全てを手に入れないと意味が無い」とする考え方です。完璧主義に多く、1位や100点ではないと意味を感じる事が出来ません。ゲームで取り逃しの要素に過剰に反応してしまう人や、ダイエット中に一度食事制限のルールを破ってしまうともういいや、とドカ食いをしてしまう人もこうしたタイプと言えます。
・東大じゃないと意味が無い。
・学校や就職先が第一志望じゃなかったからまるでやる気が出ず絶望してしまう。
・どうせやるからには頂点を目指さないと意味が無い。
・今日は自分で決めた日課が出来そうにないからもう何もしたくない。
ちなみに私の場合はRPGゲームをプレイしている時に顕著で、一時期は全ての村人に話しかけたりセリフのパターンを制覇しないと気が済まなかった程でした。
特徴としては、完璧には出来ない事やもうダメだと分かると極端に走ります。自分で決めた厳しい基準以外にも、両親や上司や世間体が決めた外部の基準や誰かと比較してしまうので常にすり減ってしまいます。
対処法の考察と実践:結果ではなく過程を楽しむ
対処法としては、努力の過程や自分の独自性(強み)を意識し結果までの道程に価値を置くように意識を変えていきます。結果ではなく道のりを重視する。目標に到達するまでの努力を成長として実感出来る事が全か無か思考を脱出する鍵です。
・成長日記を付けてみる。
・前に進んでいる感覚を得るために小さな達成感を得られる挑戦や行動をしてみる。
・日課の分量を自分に出来る範囲で減らしてみる(今日は2時間絶対に勉強するではなく、5分でもいいからやってみる。)
・自分が今取り組んでいる作業から何を学び、成長し、レベルアップをもたらしてくれるのか書き出してみる。
このバイアスの怖さは、結果以外は無駄だと見てしまうことで、理想とする結果が得られなかった時に強い絶望を生むことにあります。全てが無駄に終わったから、と悲壮感と行き所のない自己否定の感情に囚われてしまいます。
だからこそ結果までの道中で得る事が出来た成長の喜びやスキルアップ、レベルアップの喜びを感じることで、例え結果が実らなかったとしても努力の過程の中に意味があるので無駄だと思わなくする必要があります。自分に完璧主義の傾向があると自覚する人は、セルフコンパッションを学んでありのままの自分を受け入れることから考えてみるのも良い方法です。
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参考・出典
・完璧主義に効くクスリ「セルフ・コンパッション」クリスティーン・ネフ【まとめ要約レビュー】
・【書評 まとめ 考察】「マネジャーの最も大切な仕事」 要約レビュー 前に進んでいる感覚を持ち、小さな前進を実感することが人のやる気を高める
・【書評と要約】幸せな未来は「ゲーム」が創る ジェイン・マクゴニガル ゲームで得たものを現実世界にどう活かすか ゲームデザインとポジティブ心理学からの知見 人が本能的に求める持続的な幸福とは何かを知る