バイアスとは偏った見方のことで、自分の視野を狭める思い込みのこと。今回はバイアスの一つすべき思考についての考察と対処法をまとめます。
すべき思考とは
すべき思考とは自分で勝手に決めたルールに縛られすぎることです。完璧主義に多く、不安や強迫傾向が強い人が陥りやすいバイアスです。私もかなり悩まされる事が多いです。
・この仕事は今日の夜までに必ず仕上げなくてはいけない。
・必ず仕事(大企業の正社員)に就かなくてはいけない。
・履歴書(経歴)は汚してはならない。
・30歳までに結婚しなくてはいけない。
・出世して成功しなくては幸せにはなれない。
・大学を出たら実家を出るべきだ。
・無職なら恋人を作るべきではない。
・正社員という社会のレールにのって普通の家庭を作らなければならない。
など強迫的に自分で勝手に決めたルールに縛られていきます。その多くは世間体やら本人の自信のなさから来る将来への不安から来ているのですが、これがひどくなると毎日が常に切羽詰まった感じで緊張感で心身共にすり減っていきます。
対処法の考察と実践:思い込みに過ぎないことに気づく
このバイアスを解決するには、まずは「世の中のルールや常識の大部分は思い込みで出来ていて、自分がそう決めているだけ」という事実に気づく必要があります。
・男は正社員になり、家庭を支えなくてはならない→実際にはそうではない人もたくさん居る。色んな職業の、いろんな家庭の形がある。
・良い仕事に就くためには一流大学に入らなければならない→実際にその人にとって幸せをもたらす良い仕事に就けるかどうかは学歴は関係ないし、企業勤めが合っているのかも分からない。最初は無理でも転職を繰り返して実績を身につけて一流企業に転職する人もいる。
・美と健康を保つために22時前に寝なくてはいけない。→睡眠の黄金時間は人それぞれ。自分に合った睡眠時間で規則正しく。
・問題を抱えても人に相談せず自分一人で解決しなければならない。相手の時間を奪ってはいけない。→出来る人ほど自分の無知を認めて素直に人から聞いて学ぶことが多い(知的謙遜の態度)。聞かれる方も教えることで知識が整理されて成長に繋がることがある。
時代は常に移り変わり、世の中は変化して行きます。自分が勝手にそうすべきだと思っているだけで、みんながみんなそのルールを絶対的なものだと信じている訳ではありません。自分だけの思い込みのルールに囚われないように、もし毎日の生活の中で自分を追い詰めているなと感じたら、自分が作ったルールに縛られすぎていないか?を考えてみましょう。出来ない自分を受け入れるセルフコンパッション能力を高めるのもお勧めです。
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