やる気を出すのに最も重要な「前に進んでいる感覚」について

やる気を出すのに最も重要な前に進んでいる感覚について

やる気を出すのに最も重要な前に進んでいる感覚について

心理学の知識を実践していて、個人的に最も役に立っている知識が「やる気・モチベーション」に関しての知識です。何か新しいことに挑戦したり、新たな分野を学んだりする時にやる気やモチベーションはかなり重要な要素であることは間違いありません。

今回はやる気を高めるのに最も重要な「前に進んでいる感覚」を軸に「やる気」について考えたことをまとめます。

小さな勝利と小さな前進がやる気を高める

簡潔にまとめてしまうと、やる気を高めるのに最も重要なポイントは

小さな勝利と小さな前進」です。

モチベーション研究で有名なテレサ・アマビールさんは大勢の企業に務めるビジネスマンの日々のやる気の変動を記録させ、分析を行いました(参考関連記事)。その中でやる気を高めるのに重要なのは

・本人にとって意味があると感じられる仕事
・前に前進している(自分が成長している)感覚

であり、その中でも前に進んでいる感覚を得られる小さな達成・勝利がモチベーションを高めてくれることがわかりました。

・嘘でもいいから前に進んでいる感覚を持つこと
・自分の成長や進歩を実感できるようにすること

が物事へのやる気やモチベーションを大きく高めます。
実際に私もこの知識を知ってからは何かに取り組むときは常にこの小さな前進を得られるような仕組みを意識するようにしており、その効果を実感しています。例えば、
・日記に今日1日努力した内容を記録する(どこが進歩、前進したかを記録する)。
・何かを学習したり取り組む時に依然と比べてどこが進歩したのか、何が改善したのか、どんな成長を得られたのかを意識して取り組むようにする。

進歩を意識するかしないかという単純なことなんですが、これがすごく大きいんですよ。長時間頑張ったあとに自分はちゃんと取り組む前と比べて進歩(成長)している感覚があるのとないのとではその後のやる気や消耗感が全然変わってきます。

「進歩は嘘でもいい」っていうのがポイントで、実際に進歩したかはともかく、モチベーション的には自分が以前の自分より進歩をしたと実感できたと感じることができればOK。たとえば達成するたびにカレンダーにシールを貼るとか、日課をこなしたことをきちんと記録するとか、自分が自分の成長を感じやすくする仕組みを作ります。

ちなみにゲームの世界ではこの達成の仕組みが非常にうまくシステム化されています。RPGでいうレベルアップやランクアップの仕組みを現実世界に応用して小さな目標設定→達成を積み重ねていく意識を持てばいろんなことが達成しやすくなります。ゲームデザイナーはこの達成経験という感情報酬を巧みに操ってユーザーをゲームの世界に没頭させていきます。

関連記事:【書評と要約】幸せな未来は「ゲーム」が創る ジェイン・マクゴニガル ゲームで得たものを現実世界にどう活かすか ゲームデザインとポジティブ心理学からの知見 人が本能的に求める持続的な幸福とは何かを知る

やる気を下げる危険な状況とは

モチベーションへの意識を高めておくと、どんな時に自分のやる気が下がってしまうのか、無気力で嫌になってしまうのかについての状況も分かってきます。ここでは私が感じたモチベーションを下げてしまう状況をまとめてみます。

頑張っても報われないと感じてしまう状況
努力しても成長が実感できなかったり、結果が出なかったりすると大きくやる気が下がります。そりゃせっかく時間をかけて労力を割いたのに結果が伴わなければやる気は下がりますね。

小さな挫折経験、小さな敗北感覚
小さな勝利経験がやる気を高めるのと同様に、小さな敗北は人のやる気をじわじわと下げていきます。特に自分が気をつけなくてはいけないと感じたのは、周りと比較して、あの人と比べて自分は負けている、と感じてしまうことです。他者と比べる思考は劣等感にも繋がりますし、挫折感を植えつけ、やる気を下げます。例えば自分が得意と思っていた分野があって、同僚で自分よりもその分野ができる人が身近にいるとその人と比較することでその分野が嫌になり、やる気が下がります(ライバルとして乗り越える意識を持てればOKですが、嫉妬してしまうとキツい)。

大きすぎる目標、自分には達成できない目標を立てること
自分の能力を遙かに超えた大きな目標を立てると失敗し、その結果やる気を失い自信も無くす結果となります。一発逆転思考は危険で、コツコツ目の前のことを積み重ねていくことが重要ですね。ありのままの等身大の自分を受け入れるセルフコンパッションは大事ってことです。

関連:完璧主義に効くクスリ「セルフ・コンパッション」クリスティーン・ネフ【まとめ要約レビュー】

結論:やる気を高めるには自分が無理なく達成できる小さな目標を設定し、小さな前進(成長)を積み重ねていくことが重要

人には作業興奮の原理があって、とにかく動くことでやる気やモチベーションが高まるように出来ています。しかし、行動しても達成や成長を感じ取ることが出来ない時、スランプや燃え尽きが発生してやる気が下がり、無気力に陥ってしまいます。

何かに取り組んでいたり、行動しているけれどやる気が高まらないのであれば成長や成果を実感しにくい環境にいるのかも知れません。

小さな達成、小さな成長を噛みしめる事で行動力が増し成果に繋がっていくので、成果の見える化(記録)を心がけて自分の日々の成長を実感していく意識がモチベーションアップに重要だと感じています。

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【書評 まとめ 考察】「マネジャーの最も大切な仕事」 要約レビュー 前に進んでいる感覚を持ち、小さな前進を実感することが人のやる気を高める

参考・出典

・「マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力」英治出版 (2017/1/24)

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