今回は情熱について。やる気が出ない時はまずは何か行動を起こしてみることが重要です。人は行動量に応じてその行動(タスク)の価値を認め、情熱を持つ事が出来ます。
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作業興奮の原理 案ずるより産むが易し
人には作業興奮の原理があって、「何か作業をはじめる、行動をする」ことで徐々に脳内の報酬物質ドーパミンが出てやる気や集中が生まれるように出来ています。億劫だったことを行動に移したら案外簡単にこなせてしまった、思ったより辛く無かったという経験は誰しもがあると思います。
いつまで経ってもやる気が出ないのは、行動をしていないからです。やる気が出てから行動をするのでは、いつまで経っても行動できません。ちょっとした運動でもリクリエーションでも昼寝(休むという行動)でも良いので主体的な行動をする事が重要となります。
ジブリ映画の作曲を担当する久石譲さんも著書の中で気分に流されないことの重要性を説いています。
参考→全クリエイター必読の書 久石譲「感動をつくれますか?」 まとめ・要約・レビュー
情熱も行動量に比例する
情熱についても同様で、今までどれだけの量の時間と労力をその行動に費やしたかに大きく影響されます。認知バイアスの一つであるコンコルド効果(投資した分その対象を高く見積もる)を人は持っていますが、見方を変えればこれは私たちが時間や行動を投資するほど後から見てその行動に対する価値が高まるということです。
情熱を持つ為に重要なのが前に進んでいる感覚
ただ、情熱の場合は行動や投資だけでは不足です。行動の中で「前に進んでいる感じ」「成長している実感」を持つ事が重要となります。例えばゲームに夢中になることを考えてみると、ゲームはこの仕組み作りがとても上手で、簡単にレベルアップの実感を得てあたかも自分が成長しているかのような快感を得ることが出来ます。これを日常生活に応用するとゲーミフィケーションとなるのですが、それはまた別の機会にまとめます。
状況決定権、自己コントロール、裁量権も重要
自分がどれだけ決定権を持ち、状況をコントロール出来ているのかも情熱を保つ為には重要な要素です。
無理矢理やらされた仕事やタスクでは情熱を持つ事が出来ません。下請けの仕事で自分のオリジナリティを発揮できないと嘆くクリエイターは多いです。
会社の重役や経営者がどれだけ仕事に忙殺されていても生き生きと働いてストレスフリーであるのはこの状況を自分でコントロール出来る認識があるからです(彼らは良い意味でストレスを活用している→参考:ケリー・マクゴニカル)。
天職に就いている人は、たまたまその仕事に就いた人が多いと言います。成り行きだったり、運の要素も含みながら人は天職を見つけていきます。
自分の天職、情熱の持てる仕事を判断するには、まずは目の前の仕事に主体性と成長感を持って臨めるかどうかが判断する基準となります。
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参考・出典
・“I Put in Effort, Therefore I Am Passionate”: Investigating the Path from Effort to Passion in Entrepreneurship
・コンコルド効果(Wikipedia)